興味深い話ですね。
筑波大、東北沖プレートの応力が震災前の水準に近くなっていることを明らかに(財経新聞)
2015年2月6日 12:32
筑波大学のBogdan Enescu(ボグダン・エネスク)准教授らによる研究グループは、2011年の東北沖地震後に見られる応力回復が従来考えられているよりもかなり急速に進んでおり、現在既に同地震前の応力状態に近くなっていることを明らかにした。これは、今後いつ再び大地震が発生してもおかしくない状態にあることを示しているという。H.Reidによって20世紀初頭に提唱された弾性反発説は、プレート運動によって断層に蓄積された歪みが瞬間的に開放されるというプロセスで地震を説明している。しかし、地震後にまだ十分な応力が残っていて、同程度の地震が発生する可能性はあるのかについては、解明されていない。今回の研究では、東北日本に沈み込む太平洋プレート上で発生する地震活動から、大きな地震と小さな地震の発生数の比を表す「b値」の時空間分布を求めた。その結果、2011年東北沖地震の直後に高い「b値」を示していた領域が、地震発生後2~3年で低い「b値」に戻っていることが分かった。これは従来考えられていたよりもはるかに短期間で巨大地震後の応力回復が進んだことを示しており、現在既に再び巨大地震を起こすポテンシャルを有していると考えられる。
(後略)
出典:財経新聞
なるほど。
マグニチュードと頻度の比例係数b値の高低が応力状態を表しているということなんですね。
b値が高い(=高マグニチュードの地震が頻繁に起こる)ことは応力が高い状態ということなんですね。
それにしても、応力状態の回復が早いというのはあまり有り難いことではないですね。
東北沖地震の前に応力が広い範囲で高い状態にあって、東北沖地震で局所的に応力解放がなされた後も周囲の高応力状態のところとの釣り合いによって全体として高い応力状態になったというふうなイメージなんでしょうか。
それにしても、まだまだ大きな地震が起きうるということですから注意する必要がありますね。
あと、南海トラフ付近の応力状態はどのようになっているのか知りたいものです。
そうそう、2/6に徳島県で震度5強がありました。
怪我をされた方は居られなかったとのことですが、普段地震の無い土地ですから強い揺れに驚いた方は多かったのでは無いでしょうか。
一部報道では、「南海地震の前兆では」との言葉も出てきています。
徳島震度5強、巨大地震の前触れか 過去の南海トラフ地震は直下型の後に…(zakzak)
2015.02.07
東日本大震災から間もなく4年。未曾有の大災害の記憶を呼び覚ます揺れが日本列島を襲った。6日午前、徳島県牟岐町(むぎちょう)で震度5強を観測。気になるのはこの地震が、南海トラフ巨大地震の発生が懸念されるエリアで起こったことだ。気象庁は「関連は不明」としているが、専門家は「巨大地震の明らかな先駆け」と指摘。東日本でも大地震の発生リスクが高まっているといい、警戒感が広がっている。列島に緊急地震速報の不気味な音が響き渡った。6日午前10時25分ごろ、四国東南部で地震が発生。気象庁によると、震源地は徳島県南部で、震源の深さは約10キロ。地震の規模はマグニチュード(M)5・0と推定される。徳島県牟岐町で震度5強、海陽町で5弱を観測したほか、三重県から山口県まで広い範囲が揺れた。人的被害がなかったのは不幸中の幸いだが、震源がM9級とも目される南海トラフ巨大地震の震源域と重なる点が何とも不気味だ。
(後略)
震源の位置は徳島南部。出典:zakzak
地質的に言えば四万十帯北帯の白亜層付加コンプレックスが分布する位置で、深さ10kmとなると、地表とほぼ似た地質が分布しているものと思います。
この辺りで震度5強、マグニチュード5.0の地震が起こるほどの応力状態となっていたのは意外に感じられます。
参考: 地震情報(各地の震度に関する情報)(気象庁)
b値の分析を近畿南部~四国~九州に掛けての範囲で行った場合、どのような時空間分布が出てくるのか、とても興味があります。
あ、私的には南海地震が起こるのはそれほど遠く無いような気がしていますので、四国の方は防災にはくれぐれもお気をお付けください。
あと吉野川に沿って中央構造線での地震があるかもしれないので、そちらの方にもくれぐれもご注意ください。
それでは、今回はこのへんで。
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