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2014年1月31日金曜日

懐かしい音を聞きながら

 こんばんは、稲田商会です。

 今日は、うん十年振りに実家の2階にいます。

 私が実家に居た頃は、7人家族で、祖父母が1階、両親と3人の子供が2階に寝ていました。
 その後、子供が順番に実家を出て行き、祖父母が亡くなり、両親だけが残ると1階に寝るようになり、2階は物置となっていました。
 今日物を移動してもらい、畳を拭いたりして、今晩からまたこの2階に私が寝るようになりました。

 掃除をしているときは気付かなかったのですが、母から「2階には時計が無いから」と言われ、2階に上がって確認してみると、“ゼンマイ式の柱時計”があるではないですか。



 ゼンマイを巻いて振り子を動かすと、“カチカチ”ととても懐かしい音がします。
 それに正時と30分になる“ボーン”という鐘の音もです。

 そういえば、子供の頃は、明りを消した後暗闇に響き渡るこの時計の鐘の音が、あまり好きじゃなかったことをふっと思い出しました。

 時計さんへ、久しぶりに戻りました。
 ただいまです。
 (少なくとも)しばらくここにいますので、その間はゼンマイを巻くようにしますので、出来るだけ正しく時間を刻んでください。

 それでは、今回はこのへんで。

壊れたハードディスクの修理について

 こんばんは、稲田商会です。

 先日、以前勤めていた会社の上司に当たる方から電話がありました。
 その方の会社でハードディスクが壊れたのだけれどどうしたものか、とのことでした。
 お手伝いしたい気持ちはあるのですが、私が触ることによって会社のハードディスクをさらに悪化させる可能性が出てくるため、「私が触って上手く行くのは1~2割、失敗するのは8~9割」とお話ししたところ、「お金を出して業者に頼む」ことになったようです。

 ハードディスクの不調となった場合、私のような“パソコンにやや詳しい”程度の技術を持つものはどんなことが出来るでしょうか。
 今回は、これについてすこし考えてみます。


 ハードディスクの復旧作業は、修理作業などと同じで次のことが肝要だと考えます。
  • 現在の状況を理解し、問題個所の切り分けを確実丁寧に行う。
  • 作業内容の意味と影響範囲、発生しうる状況を理解した上で作業する。
  • 状況の大幅な変化が生じうる場合、それについての利害関係者の間で一定の合意を得て作業する。(とくに金額的負担が発生する場合の決裁者の判断は重要。)

 ハードディスクのトラブルは、次にあげる項目で分類することになると思います。
  • 筺体(HDD以外のハードウェア)のトラブルか
  • 接続形態は内臓か、USBか、LAN経由か
  • OSはWindowsか、Linuxか、それ以外か
  • RAIDは掛かっているか、その種類は何か
  • RAID内のHDD不良でHDD交換で状況が変化するか
  • フォーマットはOSの標準的なものか、メーカーの独自ファイルシステムか

 以上の項目をフロー形式にして対策方法を検討してみます。


○STEP1: 筺体(HDD以外のハードウェア)のトラブルか

・YESの場合 → 代替え筺体を準備して、動作確認
 HDD以外のものが壊れることは珍しいのであまりないですが、「マイネットワークに無い」とか「管理ツールに反応しない」となると、その機器の筺体部分がおかしい可能性があります。
 この場合、HDD以外の部分の要因を潰しておく必要があります。
 もし代替え筺体が準備できない場合はプロに頼んだ方がよいと思います。

・NOの場合 → STEP2へ


○STEP2: 接続形態は内臓・USBか、LAN経由か

内臓 or USBの場合 → STEP4へ
 内臓またはUSBならば、基本的に個人PCのWindowsからのアクセスになるので、特に問題なく作業出来ます。

LAN経由の場合 → STEP3へ
 LAN経由の場合、ディスプレイやキーボードなどが接続されていないサーバやNASでの作業と考えられますので、作業環境を確認する必要があります。


○STEP3: OSはWindowsか、Linuxか、それ以外か

Windowsの場合 → リモートデスクトップもしくは直接操作を行う → STEP6
 WindowsOSのサーバ、NASなら、直接筺体の前で操作してもいいですが、リモートデスクトップによるログインが、自分の席から操作できるのでお勧めです。

Linuxの場合 → コマンドコンソールでRoot権限でログインし操作を行う → STEP6へ
 LinuxOSをOSとする場合、廉価版と思われるので、ディスプレイ出力が無いことが多いと思います。
 まず、マニュアルかググるかしてログイン方法を確認した上で、自分のPCにTelnetかSSHのクライアントソフトをインストールしログインすることになります。
 ログインの方法自体はマニュアルかどこかのHPに書いてあるのですが、ログインされると不正なことをされる可能性があることから、初期設定ではログインできないようにされている可能性が高いと考えられます。
 出来れば普段からログインする操作を練習しておくのがいいと思います。

それ以外の場合 → 自力復旧は諦めて業者へ
 Windows、Linux以外のOSを採用している場合、メーカー的な何かの事情があるものと考えられます。
 インターネット上の情報の少なさ、メーカーの事情などを鑑みると素人が手を出すのは危険であると思われ、自力復旧を断念した方がいいでしょう。


○STEP4: RAIDは掛かっているか、種類は何か

RAID0の場合 → 自力復旧は諦めて業者へ
 RAID0は冗長性が無いので、HDD一台の異常による情報の欠落がそのまますべてのHDDの情報の欠落になり、素人での復旧は無理です。

RAID1、RAID0+1の場合 → 異常HDDを取り外す → STEP5へ
 RAID1は、同じ内容のHDDを用意することで冗長性を確保しているので、不良HDDが発生したとしても問題無い筈ですが、何か問題があるようなら、とりあえず不良HDDを外してみる操作を試みてみるのがよいと思います。

RAID5、RAID6の場合 → 異常HDDを新規HDDに入れ替える → STEP5へ
 RAID5、RAID6は、情報とそのパリティを分割して各HDDに保存することで冗長性を確保しているので、情報とパリティの一部が欠損しても復旧出来たり、そのまま運用出来たりします。
 ただ、RAID5では同時に2台以上、RAID6では同時に3台以上の不良HDD発生によって、RAIDが構成できなくなり読み書きが出来なくなる状況が出てきます。
 RAIDの種類と不良HDD台数については確認しておく必要があります。
 特にRAID5は、1台の不良HDD発生で復旧作業に取り掛かり、作業中にさらにもう一台不良HDDが発生するとすべてのデータが失われる可能性もあるので、可能ならRAID6を選択してください。

メーカー独自仕様のRAIDの場合 → 異常HDDを新規HDDに入れ替える → STEP5へ
 メーカー独自仕様のRAIDの場合、詳細はメーカー資料を参照することになります。
 とりあえず、不良HDDの交換による復旧を試みるしかないと考えます。


○STEP5: RAID内のHDD不良でHDD交換で状況が変化するか

ファイルにアクセス可能 → 作業完了

ドライブとして認識可能だがファイルにアクセス不可能 → STEP6へ
 RAIDは複数のHDDを組み合わせて、単一のHDDに見せかけるものと言えます。
 逆に、ドライブとして見えてもファイルシステムが破損している場合は、ファイルにアクセス出来ないことになります。
 確実にチェックをしていくようにしてください。

ドライブとして認識不可能 → 自力復旧は諦めて業者へ
 RAIDのHDD入れ替え以上の作業は、素人では不可能だと思います。
 ドライブとして認識出来ないなら、素直に諦めるべきです。


○STEP6: フォーマットはOSの標準的なものか、メーカーの独自ファイルシステムか

OSの標準的なファイルシステム → ファイルシステムの復旧作業
 Windowsであれば、FAT、FAT32、NTFSになるかと思います。
 修復には、例えばchkdskコマンドでファイルシステムの復旧を試みます。

参考サイト:
  「chkdsk」と修復オプション

 Linuxであれば、ext3、ext4になるかと思います。
 修復には、例えばfsckコマンドでファイルシステムの復旧を試みます。

参考サイト:
  Linuxコマンド集 - 【 fsck 】

メーカーの独自ファイルシステム → マニュアル確認の上で作業(不明の場合は業者へ)
 メーカー独自のファイルシステムを採用する事例は、ごく少ないと思いますが、その場合には情報がごく限られたものになるので、ググるなどでの情報収集方法が効きにくくなります。
 マニュアルの記述内容を確認した上で、作業を実施してください。
 記述内容などがよくわからない場合は、粘ってもいい方向に進まないので業者に任せた方がいいです。

ファイルシステムが一般的でないまたは不明の場合 → 自力復旧は諦めて業者へ
 一般的でないファイルシステムやファイルシステム自体が不明の場合、他との類推で作業するのは非常に危険です。
 素直に諦めるべきです。


 以上の復旧作業で、復旧出来ないなら業者に頼むようにするべきです。
 ハードディスク修復を謳う業者のサイトは多数あり、玉石混淆の可能性もありますので、業者選定は慎重に行ってください。
(私は今まで業者に依頼したことが無いので、お勧めの業者などはありません。)

参考サイト:
  ロジテックデータ復旧技術センター
  データ復旧のオントラック

 最後に、“精神論”ですが、不安に思いながら作業すると失敗することが多いと思います。
 なにか方針を決めたら“必ず成功する”と信じて作業してください。
 ただし、作業後に状態の確認をする場合は確実なところから少しづつ進めるようにし、“絶対失敗していないはず”などの思い込みで判断するのは避けるべきです。

 それでは、今回はこのへんで。