Translate

2014年1月31日金曜日

懐かしい音を聞きながら

 こんばんは、稲田商会です。

 今日は、うん十年振りに実家の2階にいます。

 私が実家に居た頃は、7人家族で、祖父母が1階、両親と3人の子供が2階に寝ていました。
 その後、子供が順番に実家を出て行き、祖父母が亡くなり、両親だけが残ると1階に寝るようになり、2階は物置となっていました。
 今日物を移動してもらい、畳を拭いたりして、今晩からまたこの2階に私が寝るようになりました。

 掃除をしているときは気付かなかったのですが、母から「2階には時計が無いから」と言われ、2階に上がって確認してみると、“ゼンマイ式の柱時計”があるではないですか。



 ゼンマイを巻いて振り子を動かすと、“カチカチ”ととても懐かしい音がします。
 それに正時と30分になる“ボーン”という鐘の音もです。

 そういえば、子供の頃は、明りを消した後暗闇に響き渡るこの時計の鐘の音が、あまり好きじゃなかったことをふっと思い出しました。

 時計さんへ、久しぶりに戻りました。
 ただいまです。
 (少なくとも)しばらくここにいますので、その間はゼンマイを巻くようにしますので、出来るだけ正しく時間を刻んでください。

 それでは、今回はこのへんで。

壊れたハードディスクの修理について

 こんばんは、稲田商会です。

 先日、以前勤めていた会社の上司に当たる方から電話がありました。
 その方の会社でハードディスクが壊れたのだけれどどうしたものか、とのことでした。
 お手伝いしたい気持ちはあるのですが、私が触ることによって会社のハードディスクをさらに悪化させる可能性が出てくるため、「私が触って上手く行くのは1~2割、失敗するのは8~9割」とお話ししたところ、「お金を出して業者に頼む」ことになったようです。

 ハードディスクの不調となった場合、私のような“パソコンにやや詳しい”程度の技術を持つものはどんなことが出来るでしょうか。
 今回は、これについてすこし考えてみます。


 ハードディスクの復旧作業は、修理作業などと同じで次のことが肝要だと考えます。
  • 現在の状況を理解し、問題個所の切り分けを確実丁寧に行う。
  • 作業内容の意味と影響範囲、発生しうる状況を理解した上で作業する。
  • 状況の大幅な変化が生じうる場合、それについての利害関係者の間で一定の合意を得て作業する。(とくに金額的負担が発生する場合の決裁者の判断は重要。)

 ハードディスクのトラブルは、次にあげる項目で分類することになると思います。
  • 筺体(HDD以外のハードウェア)のトラブルか
  • 接続形態は内臓か、USBか、LAN経由か
  • OSはWindowsか、Linuxか、それ以外か
  • RAIDは掛かっているか、その種類は何か
  • RAID内のHDD不良でHDD交換で状況が変化するか
  • フォーマットはOSの標準的なものか、メーカーの独自ファイルシステムか

 以上の項目をフロー形式にして対策方法を検討してみます。


○STEP1: 筺体(HDD以外のハードウェア)のトラブルか

・YESの場合 → 代替え筺体を準備して、動作確認
 HDD以外のものが壊れることは珍しいのであまりないですが、「マイネットワークに無い」とか「管理ツールに反応しない」となると、その機器の筺体部分がおかしい可能性があります。
 この場合、HDD以外の部分の要因を潰しておく必要があります。
 もし代替え筺体が準備できない場合はプロに頼んだ方がよいと思います。

・NOの場合 → STEP2へ


○STEP2: 接続形態は内臓・USBか、LAN経由か

内臓 or USBの場合 → STEP4へ
 内臓またはUSBならば、基本的に個人PCのWindowsからのアクセスになるので、特に問題なく作業出来ます。

LAN経由の場合 → STEP3へ
 LAN経由の場合、ディスプレイやキーボードなどが接続されていないサーバやNASでの作業と考えられますので、作業環境を確認する必要があります。


○STEP3: OSはWindowsか、Linuxか、それ以外か

Windowsの場合 → リモートデスクトップもしくは直接操作を行う → STEP6
 WindowsOSのサーバ、NASなら、直接筺体の前で操作してもいいですが、リモートデスクトップによるログインが、自分の席から操作できるのでお勧めです。

Linuxの場合 → コマンドコンソールでRoot権限でログインし操作を行う → STEP6へ
 LinuxOSをOSとする場合、廉価版と思われるので、ディスプレイ出力が無いことが多いと思います。
 まず、マニュアルかググるかしてログイン方法を確認した上で、自分のPCにTelnetかSSHのクライアントソフトをインストールしログインすることになります。
 ログインの方法自体はマニュアルかどこかのHPに書いてあるのですが、ログインされると不正なことをされる可能性があることから、初期設定ではログインできないようにされている可能性が高いと考えられます。
 出来れば普段からログインする操作を練習しておくのがいいと思います。

それ以外の場合 → 自力復旧は諦めて業者へ
 Windows、Linux以外のOSを採用している場合、メーカー的な何かの事情があるものと考えられます。
 インターネット上の情報の少なさ、メーカーの事情などを鑑みると素人が手を出すのは危険であると思われ、自力復旧を断念した方がいいでしょう。


○STEP4: RAIDは掛かっているか、種類は何か

RAID0の場合 → 自力復旧は諦めて業者へ
 RAID0は冗長性が無いので、HDD一台の異常による情報の欠落がそのまますべてのHDDの情報の欠落になり、素人での復旧は無理です。

RAID1、RAID0+1の場合 → 異常HDDを取り外す → STEP5へ
 RAID1は、同じ内容のHDDを用意することで冗長性を確保しているので、不良HDDが発生したとしても問題無い筈ですが、何か問題があるようなら、とりあえず不良HDDを外してみる操作を試みてみるのがよいと思います。

RAID5、RAID6の場合 → 異常HDDを新規HDDに入れ替える → STEP5へ
 RAID5、RAID6は、情報とそのパリティを分割して各HDDに保存することで冗長性を確保しているので、情報とパリティの一部が欠損しても復旧出来たり、そのまま運用出来たりします。
 ただ、RAID5では同時に2台以上、RAID6では同時に3台以上の不良HDD発生によって、RAIDが構成できなくなり読み書きが出来なくなる状況が出てきます。
 RAIDの種類と不良HDD台数については確認しておく必要があります。
 特にRAID5は、1台の不良HDD発生で復旧作業に取り掛かり、作業中にさらにもう一台不良HDDが発生するとすべてのデータが失われる可能性もあるので、可能ならRAID6を選択してください。

メーカー独自仕様のRAIDの場合 → 異常HDDを新規HDDに入れ替える → STEP5へ
 メーカー独自仕様のRAIDの場合、詳細はメーカー資料を参照することになります。
 とりあえず、不良HDDの交換による復旧を試みるしかないと考えます。


○STEP5: RAID内のHDD不良でHDD交換で状況が変化するか

ファイルにアクセス可能 → 作業完了

ドライブとして認識可能だがファイルにアクセス不可能 → STEP6へ
 RAIDは複数のHDDを組み合わせて、単一のHDDに見せかけるものと言えます。
 逆に、ドライブとして見えてもファイルシステムが破損している場合は、ファイルにアクセス出来ないことになります。
 確実にチェックをしていくようにしてください。

ドライブとして認識不可能 → 自力復旧は諦めて業者へ
 RAIDのHDD入れ替え以上の作業は、素人では不可能だと思います。
 ドライブとして認識出来ないなら、素直に諦めるべきです。


○STEP6: フォーマットはOSの標準的なものか、メーカーの独自ファイルシステムか

OSの標準的なファイルシステム → ファイルシステムの復旧作業
 Windowsであれば、FAT、FAT32、NTFSになるかと思います。
 修復には、例えばchkdskコマンドでファイルシステムの復旧を試みます。

参考サイト:
  「chkdsk」と修復オプション

 Linuxであれば、ext3、ext4になるかと思います。
 修復には、例えばfsckコマンドでファイルシステムの復旧を試みます。

参考サイト:
  Linuxコマンド集 - 【 fsck 】

メーカーの独自ファイルシステム → マニュアル確認の上で作業(不明の場合は業者へ)
 メーカー独自のファイルシステムを採用する事例は、ごく少ないと思いますが、その場合には情報がごく限られたものになるので、ググるなどでの情報収集方法が効きにくくなります。
 マニュアルの記述内容を確認した上で、作業を実施してください。
 記述内容などがよくわからない場合は、粘ってもいい方向に進まないので業者に任せた方がいいです。

ファイルシステムが一般的でないまたは不明の場合 → 自力復旧は諦めて業者へ
 一般的でないファイルシステムやファイルシステム自体が不明の場合、他との類推で作業するのは非常に危険です。
 素直に諦めるべきです。


 以上の復旧作業で、復旧出来ないなら業者に頼むようにするべきです。
 ハードディスク修復を謳う業者のサイトは多数あり、玉石混淆の可能性もありますので、業者選定は慎重に行ってください。
(私は今まで業者に依頼したことが無いので、お勧めの業者などはありません。)

参考サイト:
  ロジテックデータ復旧技術センター
  データ復旧のオントラック

 最後に、“精神論”ですが、不安に思いながら作業すると失敗することが多いと思います。
 なにか方針を決めたら“必ず成功する”と信じて作業してください。
 ただし、作業後に状態の確認をする場合は確実なところから少しづつ進めるようにし、“絶対失敗していないはず”などの思い込みで判断するのは避けるべきです。

 それでは、今回はこのへんで。

2014年1月27日月曜日

デイトレード結果の分析

 こんにちは、稲田商会です。

 株のデイトレードデータを分析したので簡単に紹介します。
 といっても、分析の手法と結果を主に説明し、分析対象としたデータは示しません。

○分析の方針
 デイトレードのデータを分析するのは、デイトレードでプラスとするためです。
 プラスにならない理由として可能性が高いのは“損切りがきちんと出来ない”ことです。
 損切りが大事と言われますが、どの位で損切りするべきかの目安が無いと、なかなか踏ん切りが出来ず、そのままずるずると行ってしまいます。
 分析することで、損切りの目安がある程度は掴めると考えます。
 分析の方針は次の通りです。
  • 銘柄は考えず、売買の金額、数量だけで考える。
  • 損切りの目安を明らかにしたい。
  • 出来ればトレードの目安も明らかにしたい。

○分析対象の情報

  • トレードは買い建てのみとする
  • デイトレードによる売買情報で、買い建てた単価、返済した単価、株数の情報

 変数は次の通りとします。
買建単価: Xb
返済単価: Xs
株数  : Yv

○分析の準備作業

 まずは、分析に当たって売買情報の規準化を行います。
 規準化の理由は、例えば株価が

A 10,000円→10,150円(100円アップ、1%アップ)

B 500円→600円(100円アップ、20%アップ)

C 500円→505円(5円アップ、1%アップ)

の情報があった場合、どの情報を“同じ程度の重み”として扱うのかによって、分析結果が大きく異なるからです。

 今回は、「株価の上昇、下降した割合に意味がある」と考えるようにします。
 上の例では、AとCが同じ「1%アップ」なので「同じ程度の重み」と取り扱うことにします。
 これから、分析に当たって、次の変数を定義します。

売買差額(=返済単価-買建単価): Xd = Xs - Xb
売買差額率(=売買差額/買建単価): Xdp = Xd / Xb

 また、株価の価格帯により何か差があるかもしれないので、価格帯による分類をします。
 価格帯は、桁が異なる程の差なので、指数的な範囲の区切りとします。
 例えば、1から10は底10の対数では0から1となるので、4等分すると対数で

10^0、10^0.25、10^0.5、10^0.75、10^1

が範囲の区切りとなり、数値では

1、1.778、3.162、5.623、10

となるので、丸めて

1、2、3、6、10

を範囲の区切りとします。

価格帯Gr: 買建単価が1~50 グループA
          51~100 グループB
          101~200 グループC
          201~300 グループD
          301~600 グループE
          601~1,000 グループF
          1,001~2,000 グループG
          2,001~3,000 グループH
          3,001~6,000 グループI
          6,001~10,000 グループJ
          10,001~20,000 グループK

 入手したデータの範囲は単価20,000円以下だったので、ここまでとします。

 株数Yvは売買単位が100株、1,000株と異なるので 規準化すべきと思います。
 規準化として、“同じ程度の懐の痛さ”を考えて、売買の結果得られる売買損益Ymを考えます。

売買損益(=売買差額×株数): Ym = Xd * Yv

○分析作業と結果

 次の情報をExcelに入れて、Pivotテーブルで分析を行います。

Excel入力情報:
 整理番号NO、買建単価Xb、返済単価Xs、株数Yv、売買差額Xd、売買差額率Xdp、価格帯Gr、売買損益Ym

手順1
 まず、Pivotで集計対象を整理番号NOのデータの個数として、行ラベルに売買差額率Xdpを入れてみます。
 そのままでは見にくいので、行ラベルを適当にグループ化してみます。

(上図はPivotテーブルの内容を調整した上でグラフ化しています)

 与えたデータでは、プラスが出た場合はほとんどが売買差額率が0.005(0.5%)までの範囲にあり、0.01(1%)以上となるのはほんの僅かでした。
 一方、マイナスがでた場合は緩やかな塊が売買差額率が-0.0075(-0.75%)まで広がり、より低い位置まで続いていました。
 これは「勝つときは小幅に、負けるときは大幅に」なっていることを示しており、「損切り出来ない」ことを如実に表しています。

手順2
 次に、価格帯毎の分布はどうなるかを見るために、列ラベルに価格帯Grを入れてみます。

(上図はPivotテーブルの内容を調整した上で手作業で着色しています)

 与えたデータでは、価格帯毎でプラスが出るか、マイナスかの傾向が異なり、グループE(301~600円)からグループI(3,001~6,000円)の範囲ではややプラスが多いようですが、グループD(201~300円)以下やグループJ(6,001~10,000円)以上の価格帯ではマイナスの回数が多いようです。
 これから、プラスの出やすい価格帯、出にくい価格帯があることが判ります。

手順3
 次に、金額が適切なのか見てみましょう。
 大きな金額の時に大きく負けている可能性があるかもしれません。
 行ラベルに売買損益に入れ替えて、行ラベルをグループ化します。
 また列ラベルに売買差額率を入れてみます。

(上図はPivotテーブルの内容を調整した上で手作業で着色しています)

 与えたデータでは、プラスが出た場合よりもマイナスが出た場合の売買損益の絶対値が大きく、またばらついているように思われます。
 これから、「負けるときは大きな金額を張っている場合が多い」可能性があります。
 よって、一回のトレード当たりに金額的な目安を設けておいた方が良いと言えます。

手順4
 では、損切り範囲および取引金額上限を設定すると本当に儲けられるようになるのでしょうか。
 先ほどのデータを使って計算してみましょう。
 まず、損切り(益出し)を行う範囲、一回当たりの取引金額について条件を決めた取引条件表を作成します。 
 表の形は次のようになります。

価格帯Gr、取引上限株数、益出し幅(益出し幅率、益出し金額)、損切り幅(損切り幅率、損切り金額)、売買上限金額


 益出し幅、損切り幅を、各価格帯で株価の上限値(グループC(101~200円)では200円)に対してそれぞれ1%程度、0.5%程度となるようにしました。
 また、益出し幅、損切り幅に取引上限株数を掛けた益出し金額、損切り金額がある程度の金額となるようにしました。
 売買上限金額は、価格帯上限値×取引上限株数で算出したものです。
 作成する際に、株価が300以下となる価格帯GrのグループA~Dでは株価上限値に率を掛けるだけの益出し幅、損益幅が取引時に現実的ではなく、やや高い値としました。

 取引条件表が出来たなら、それを元にExcelに項目を追加します。
 追加する項目は、次の項目になります。

差額制限フラグ: 売買差額Xdが益出し幅、損切り幅に収まるかどうかの判定
株数制限フラグ: 株数Yvが取引上限株数に収まるかどうかの判定
制限後差額Xdlimit: 売買差額を益出し幅、損切り幅の範囲に制限したもの
制限後株数Yvlimit: 株数を取引上限株数の範囲に制限したもの

 また、制限による取引結果として、
  ケース1 差額のみ制限
  ケース2 株数のみ制限
  ケース3 差額株数制限
の3ケースについて売買した損益を計算します。

ケース1(差額のみ制限)損益Ymcase1: 制限後差額Xdlimit×株数Yv
ケース2(株数のみ制限)損益Ymcase2: 売買差額Xd×制限後株数Yvlimit
ケース3(差額株数制限)損益Ymcase3: 制限後差額Xdlimit×制限後株数Yvlimit

 Pivotテーブルで、集計対象に次の項目を加え、計算方法を合計にします。

売買差益Ym、ケース1(差額のみ制限)損益Ymcase1、ケース2(株数のみ制限)損益Ymcase2、ケース3(差額株数制限)損益Ymcase3

 行ラベルは売買差額率Xdpや価格帯Grでして表を作成してみて下さい。

(上図はPivotテーブルの内容を調整した上でグラフ化しています)

 与えたデータでは、差額制限のあるケース1とケース3でプラスとなり、株数制限のみのケース2はマイナスが半分程度になったもののプラスにはなりませんでした。
 合計値では、次の順番となりました。

ケース1>ケース3>0>ケース2>売買損益

 より詳細に見てみると、差額制限はプラス側に変化は無く、マイナス側が少なくなっていました。
 一方、株数制限では、マイナス側も少なくなるものの差額制限の効果に劣っているのに加え、プラス側も少なくなっていました。
 これから、トータルでプラスにするには、差額制限は有効で、株数制限はあまり有効ではないことになります。

○分析結果のまとめ

 デイトレードデータを分析したところ、次の事が判りました。
  • 売買差額率でみて、トレードでプラスが出た場合は売買差額率の絶対値が0.5%以内が多く、マイナスが出た場合はそれよりも絶対値が大きくなる傾向があり、損切りが出来ていない傾向にあります。
  • 売買損益でみて、トレードでプラスが出た場合は売買損益の絶対値の範囲に比べ、マイナスが出た場合はより広い範囲に分布しており、損切りをしなければならない場合の株数が多い可能性が考えられます(売買差額率の傾向のみによる可能性もあります)。
  • 価格帯により売買での成績が異なり、プラスの出やすい価格帯、出にくい価格帯があります。
  • 差額制限を行うことによって損切りがきちんと出来たなら、トータルでプラスになると推測されます。
  • 株数制限を行ってもあまり影響が無いことから取引上限株数については参考程度でよいとと考えられます。
  • 取引条件表により、一回当たりの売買損益の幅が明確になるため、今後はより計画的に売買出来るものと考えられます。

○最後に

 以上、デイトレードデータを分析し、いくつかの知見が得られました。
 久し振りにデータの分析をすると、とても楽しいですね。

 それでは、今回はこの辺で。

    2014年1月26日日曜日

    “言葉そのもの”も見るようにしています(その2)

     こんばんは、稲田商会です。

     本題に入る前に、少し。

     ただ今(私個人的に)記事作成キャンペーンを実施しております。
     「技術的記事の他にも、感想や意見などの主観的記事や愚痴や瞬間的に思いついた事などの誰得的記事でも、練習として作成していこう」との方針のもと、とにかく作文し記事にするようにしています。
     しばらくの間、あまり面白くない記事になるかもしれませんが、稲田商会の記事作成技術の研鑽に必要な過程であるとご理解頂き、どうかご容赦下さいますよう、お願いいたします。

     閑話休題。

     昨日投稿した記事「“言葉そのもの”も見るようにしています」を書いて後、少し記事に関して考えていました。
     それで、思いついた事を書いてみます。

     前回の記事は、要約すると「誰が、どのように考えて発した言葉かを問わず、“言葉そのもの”の中に意味があるかもしれないのだから、 意図を伝える道具としてではなく、“言葉そのもの”を見るようにしないと勿体ないですよね」となります。
     が、なにか言葉がうまく繋がっていないというか、私の感覚を上手く説明が出来ていないように思います。
     こういうときは「歴史に学ぶ」のはどうかと思い、色々と調べてみたのです。

     単語の繋がりから思いついたのは言霊でした。
     ですが、“言葉そのもの”に意味があるというのは、言霊として言葉そのものが独立した存在であるとの考えではなく、言葉という観測対象とそれを観測する観測者(=自分)の関係性の中で観測することで意味を用いるものとの考えです。

     次に思いついたのは聖書でした。
     次の文言は、聖書にある文言ですが、
    初めに言葉があった。
    言葉は神と共にあった。
    言葉は神であった。
    この言葉は、初めに神と共にあった。
    万物は言葉によって成った。
    成ったもので言葉によらずに成ったものは
    ひとつもなかった。
    言葉のうちに命があった。
    命は人間を照らす光であった。
    光は暗闇の中で輝いている。
    暗闇は、光を理解しなかった。
     (ヨハネ福音書 1:1~1:5 )
    この表現では、“言葉”は“神と共に”あるほど意味を成すものとなってしまい、私の感覚には合いません。

     その次に思いついたのは「イデア」という単語です。
     聖書の言葉よりも次の文言の方がより感覚に近いと思います。
    我々の魂は、かつて天上の世界にいてイデアだけを見て暮らしていたのだが、その汚れのために地上の世界に追放され、肉体(ソーマ)という牢獄(セーマ)に押し込められてしまった。そして、この地上へ降りる途中で、忘却(レテ)の河を渡ったため、以前は見ていたイデアをほとんど忘れてしまった。だが、この世界でイデアの模像である個物を見ると、その忘れてしまっていたイデアをおぼろげながらに思い出す。このように我々が眼を外界ではなく魂の内面へと向けなおし、かつて見ていたイデアを想起するとき、我々はものごとをその原型に即して、真に認識することになる。
    引用元: wikipedia イデア (一部抜粋)

     ただ、この捉え方では、想起されるべきイデアの模像を見ていることになり、観測者である私は思い出せていないだけになってしまいますし、イデアの模像である地上の世界であるならなんらの意味はなくなってしまいます。

     さらに次に思いついたのは、仏教のことでした。
     調べてみると、「仏性」についての記述が私の感覚に合いそうでした。
    仏教では、この仏性を開発かいほつし自由自在に発揮することで、煩悩が残された状態であっても全ての苦しみに煩わされることなく、また他の衆生の苦しみをも救っていける境涯を開くことができるとされる。この仏性が顕現し有効に活用されている状態を成仏と呼び、仏法修行の究極の目的とされている。
    引用元: wikipedia 仏性 (一部抜粋)

     特に気になったのは次の記述です。
    三因仏性
    『大般涅槃経』獅子吼菩薩品に説かれるものを智顗が整合し確立した、成仏のための3つの要素を三因(さんいん)仏性という。
    正因仏性しょういんぶっしょう - 本性としてもとから具わっている仏性のこと
    了因仏性りょういんぶっしょう - 仏性を照らし出す智慧や、その智慧によって 発露ほつろした仏性のこと
    縁因仏性えんいんぶっしょう - 智慧として発露するための縁となる善なる行いのこと
    引用元: wikipedia 仏性 (一部抜粋)

    この縁因仏性が、近いのかなと思ったのです。
     仏性のキーワードで私の感覚を説明すると、次のようになるでしょうか。


     私たちの中は悟りを開くための過程として今生きており、真理を正しく理解する(=悟る)ことが必要です。
     真理を理解するための準備(=正因仏性)はすでに為されているので、後は真理を拾い上げ(=縁因仏性)、理解しようとする(=了因仏性)ことをすればいいのです。
     真理は、色々なものの中に紛れ込み、遍く世界にありふれていますが、その中でも“言葉”の中に多くあるように思います。
     言葉は、発した人と受け取る自分との間を繋ぐものとしてのみあるのではありません。
     言葉は、自分に真理を気づかせてくれる、真理を孕む原石でもあります。
     言葉を発した人の心の動きの中にも真理はあると思いますが、発した人のみを見て言葉の中の真理を見失うのは勿体ないことです。
     私は、真理を含むものとして「“言葉そのもの”も見るようにしています」。


     さて、読まれた方にとって昨日の投稿よりも私の感覚が伝わる文章になったでしょうか。

     それでは、今回はこのへんで。

    2014年1月25日土曜日

    “言葉そのもの”も見るようにしています

     こんばんは、稲田商会です。

     本題に入る前に、少し。

     ただ今記事作成キャンペーンを実施しております。
     「技術的記事の他にも、感想や意見などの主観的記事や愚痴や瞬間的に思いついた事などの誰得的記事でも、練習として作成していこう」との方針のもと、とにかく作文し記事にするようにしています。
     しばらくの間、あまり面白くない記事になるかもしれませんのが、稲田商会の記事作成技術の研鑽に必要な過程であるとご理解頂き、どうかご容赦下さいますよう、お願いいたします。

     閑話休題。

     以前から思っていたことを記事にしています。
     世の中の方は“そんなの当たり前だよ”と仰るかもしれまんせんが、もしそう思われない方も居られるかもとの考えで書いています。

     聖書の中に次のような記述があります。
    「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしよう」(マタイ4:10)。
    これはイエス・キリストがペテロとアンデレに語られた言葉だそうです。
     上の言葉を、たとえば2ちゃんねるのような匿名掲示板で誰かが投稿したことを想像してみて下さい。
     聖書からの引用だと判る方を除くと、「貴方は何を言っているのですか?」と訝しがられるのではないでしょうか。
    (ああ、誤解しないで下さい。聖書の文言を貶したりする考えは全くありません。)
     私が思っている事はこういう事です。

    「言葉はそれを話した、記述した人の裏付けを持って意味を為すことがある」

     この例では、「イエス・キリストが語りそれを聖書が記述したことで、文言に意味が与えられている」と考えられ、2ちゃんねるのような“人物的な裏付けを持っていなければ意味を為さない”場合があると思うのです。

     これとは反対に、どこかの落書きに「一切は空しい」と書かれているのと、般若心経の「色即是空、空即是色」との意味的な違いはどこにあるのでしょうか。
    (これも般若心経を貶したりする考えは全くありません。)

     私が書きたいのは、「言葉を発した人」と「発された言葉」および「受け取る人」の関係についてです。
     この議論をするときに、しっかり踏まえておかないといけないことは、「その言葉を発した人が考えていたこと」と「その言葉を聴いた人が思い浮かべたこと」は同じではない、ということです。
     「言葉のみがある」=「言葉を発した人が不明」の場合は「その言葉を聴いた人が思い浮かべたこと」のみしか存在しません。
     「(誰かが)こう考えて言葉にした」としても、それは後からそのように推測しているに過ぎません。
     また、「どういう事に意味を見出すのか」ということもしっかり踏まえておく必要があります。
     言葉を発した人物の立場に意味を見出すのか、言葉の背後にある論理、考え方に意味があるのか、それとももっと他の事に意味があるのかです。

     いくつかの疑問を書きます。

    • 有名人もしくは自分の好きな方の「座右の銘」や「話した言葉」は多くの方が「意味あるもの」として捉えますが、それは何故なのでしょうか。

    • 全く同じ「文言」を異なる人物が発した場合、それから同じ内容が汲み取れるでしょうか。

    • ある人が発した言葉に「ああ、それは良い」と思い、その人と話してみると「全く別のことを考えてその言葉を発していて幻滅した」ことはないでしょうか。

     これらのことは、何故起こるのでしょうか。

     私はこのように考えます。
     ある人(人物A)が言葉を発し、それを別の人(人物B)が受け取って何かを感じるまでの過程は次のようになると思います。

    状態A:人物Aがなにかを思う
      ↓
    (過程a:言語化)
      ↓
    状態B:人物Aが言葉を発する
      ↓
    (過程b:言葉の伝達)
      ↓
    状態C:人物Bが言葉を受け取る
      ↓
    (過程c:概念化)
      ↓
    状態D:人物Bが何かを感じる

     一部の人は、自身が人物Bで状態Dの段階にある場合、人物Aの発した過程bの言葉から人物Aの考えた状態Aを復元しようとしていながら実際は自身の考えが人物Aの考えではないかと思い込み、それによって人物Aの思い(状態A)を復元出来ていると考えている」ように思います。
     それによって、過程bの言葉がどんなものであっても状態Aをきちんと理解したことになります。
     わたしとしては、それだけでは面白くないと考えます。
     例えば人物Aが何も思わずに発された言葉があって、それを受け取った人物Bが概念化することで有用なことになることは無いでしょうか。
     「ニュートンのリンゴの話」はどうでしょう。
     リンゴの実が落ちることは、何らの意味があって生じているのではありませんが、それを受け取り、取り込むことでニュートンには万有引力の法則のヒントになったと言われています。

     話は変わりますが、円周率πという数字があります。
     πは約3.14ですがより下の桁を求めると何処までも続いて切りがなく、超越数と言われています。
     超越数は繰り返しもなく、何処までも続く数字の羅列になりますが、何処までも繰り替えしなく続くことから、「もし“何か”(絵画でも音楽でもいいのですが)をデジタル化、データ化するとそれと同じものがπのなかに含まれている」ことになります。
     この話は、「πが凄い」と捉えることも出来ますが、それ以外の捉え方も考えられます。
     それは、πが幾ら凄い内容の情報を内包していても、それ自体で「何かの意味が生じる」のではなく、それを「観察し、部分を取り出し、それに意味を見出す人物、立場があって初めて意味が成り立つ」との捉え方です。
     別の言葉でいうと“観察対象と観察者が存在し、観察することによって意味が生じる”ということです。

     先ほどの話に戻すと、私は、「言葉を発する人物に意味がある」というなら同じ程度に「発した言葉を理解した人にも意味がある」と思うのです。
     同様にして、「(誰が発したのかを別にして)何らかの意味を伝達するように編まれた言葉には、それこそなにか含まれた意味がある可能性がある」と考えます。
     「誰がどのように考えて発した言葉であっても、何らかの意味を含んでいる可能性がある」と考えるのです。(勿論何も意味を為さない場合もあります。)
     だって「πの中から、どの部位に意味があり、どの部位を切り出してきた言葉にするのかは、観察者次第」なのですから。

     今のような膨大な言葉の濁流の中に居て“意味のあること”を抽出するためには、“発した人物”によるフィルタを掛けることは、仕方の無いことかもしれません。
     ですが、“発した人物”によるフィルタが絶対化して、“言葉自体”を見なくなるのは勿体ないと思うのです。
     私は、“言葉”を“それを発した人物の思い”を推測するための“使い捨ての手段”として捉えるだけではなく、“受け取る人物がその中に意味を見出す切っ掛け”として“重要なもの”と思って欲しいと考えています。
     そのために、“言葉”自体を“発した人物”とは切り離して、“蓄え、取り出しては咀嚼し、その中にあるかもしれない意味を探す”ようにしたいと思っています。

     言葉の濁流として、渦巻いては消えていく言葉達は、もしかしたら磨かれていない宝石なのかもしれません。
     「せっかく美味しい料理があるのだから、美味しく食べればよい」と同じで、「せっかく美味しい“言葉”があるのだから、美味しく“受け取れ”ばよい」だと考えます。

     今回は、とりとめのない変な記事となってしまいました。
     次回はもう少し、よいものにしようと思います。
     それでは、今回はこのへんで。

    記事を書く時間はどうすれば短縮出来るか

     こんにちは、稲田商会です。

     先ほど、一つ記事を書いたんですが、内容を見直すのに少し“寝かしてみる”ことにしました。
     内容は、データを分析して、何かを読み取る作業についてです。

     久し振りに、データをいじくってみるととても楽しいですね。

     それで、データの分析作業が終わって、記事にしようと思い立ったのが今日の午前中だったのですが、記事の内容や作図などをしていると夕方まで掛かってしまいました。

     約5時間は作業をしていたかと思います。

     一つの記事を仕上げるのに、この時間が掛かっていると、とてもでは無いですが更新が週1回程度にならざるを得ません。

     他のブログを書いている方は、そんなに簡単に記事が書けるんでしょうか。
     それこそ目にも止まらないほどの高速タイピングで、スラスラと文章が生まれてくるのでしょうか。

     やっぱり私は能力が低いのかなあと思ってしまいます。

     始めてまだ間の無いこのブログですが、もう少し軽い、感想のようなことを書いた記事を作成して記事数を増やすべきなのかとも思うのです。

     とりあえず、現状を受け止めて、解決の方策を検討する必要がありますね。

    記事を書く時間を短縮する方策案

    • 技術的な内容を減らし、観察したことや感じたことなどを記事にする。
    • 技術的な内容の記事について、複数の記事に分割し、記事作成時間を一定量以下に削減すると共に、分割して投稿するなどして作成に時間を費やした記事をそれに見合う日数に希釈する。
    • 文章を毎日書き続け、文章作成能力の向上を図る。
    • 記事にする内容を事前にある程度まとめたラフスケッチ(のようなもの)を作成し、記事作成時の思考時間を短縮する。

     方策案について、検討してみます。

     すみません、あまりよい締め方では無いのですが、今回はこの辺で。

    2014年1月24日金曜日

    大根の煮物を食べながら考えた事

     こんばんは、稲田商会です。

     今回は、徒話(むだばなし)です。
    (日本語変換で出てきたので使ったのですが、“徒話”に何か意味を持たせているわけではありません。)

     昨日の夜、大根と白菜を煮たものを食べました。
     今夜は、大根を煮たものを食べました。

     今日の大根の煮物を食べながら、ふと気付いたことがありました。
     「昨日の大根は煮汁が染みていたのに、今日のは表面のみだな」と。
     そういえば昨日は大根の皮むきをしてから煮たのに対して、今日は皮をむいていませんでした。

     グーグル先生に聴いてみると、皮をむいて煮るのが普通のようで、味も良くなるとか。
     情報としては“むいてから料理する”、“むき方”などがありました。

     私が疑問に思ったことは、“皮をむいて煮るとどうして煮汁の染み方が異なるのか”でした。
     説明のために、まず次のように切った大根を想像してください。
    図1 大根の切断

     この切断された扇状の大根の各面を次のように呼ぶこととします。
    図2 各面の名称

     大根の皮は、外周Aの位置にあたります。

     昨日の皮をむいた大根では、内部まで煮汁が染みていたので判別は出来ませんが、今日の皮をむいてない大根では、上部切断面B、切断面C、下部切断面Dからの染み込みは見られるものの、外周Aの皮のついている面からの染み込みは見られませんでした。

     グーグル先生に聴いた話からは、外周Aに皮が無い状態の方が(小片全体?に)煮汁の浸透が良いことが推測されます。
     “大根の浸透しやすさが等方的である(向きによって浸透しやすさの差がない)”と仮定した場合、外周Aの皮をむいたところでより中心部に近い上部切断面Bや下部切断面Dからの浸透するので問題無いはずですがそうではないとのことですから、“大根の浸透しやすさは等方的ではない”と考えられます。

     大根の切断面を見ると上部切断面Bから下部切断面Dに向かって筋状の構造(師管と同じ様なものかと推測されます)が見られます。
     この、筋状の構造に沿って浸透すると仮定した場合、上部切断面Bや下部切断面Dからの浸透が切断面Cよりも速やかに行われることになりますが、煮た小片をかじってみても切断面Cからの浸透と上部切断面B、下部切断面Dからのそれはあまり差が無く見えました。

     では、私なりに考察してみます。

     煮汁は、醤油や出汁によって大根内部よりも浸透圧が高いものと考えられます。
     大根内部の水分が浸透圧の高い煮汁の方に吸い出されていくとしたら、大根内部の圧力低下に伴って速やかに煮汁が浸透すると考えられるので、上記の事実と反します。
     また、「皮をむくと煮汁が良く染み込む」ことは皮の内部の外周Aに当たる部分から内部の水分が吸い出され易いことを意味しているのではないかと考えられます。

     大根の構造を、水分の移動の観点から考えてみます。
     土中から水分を吸い上げる為には、まず皮が水分に対して“外→内”への一方通行の“弁”として働くものと推測されます。
     次に、水分を受け取った(皮内部の)外周Aに当たる位置から上部切断面Bに向かって水分は流れていくことになりますが、その際、外周Aから中心部に向かって流れ、中心部から上部切断面Bに向かって流れるのではないかと思われます。
     外周から中心に向かう流路は目視で構造として確認出来ないこと、重力に関係しない流れであることから、中心から上部に向かう流路の特徴(目視出来る構造があること、重力に逆らい流れること)と異なるため、連続した構造ではないと考えられます。
     この構造から、中心から上部に向かう流路に沿っての煮汁の浸透はあまり速やかではなく、外周から中心に向かう流路に沿っての浸透は速やかに行われるものと考えられます。
     また、外周から中心に向かう流路は、切断面Cや上部切断面B、下部切断面Dには繋がっておらず、外周Aの皮をむいたときのみ外部に露出することになります。

     以上から、大根に煮汁が良く染み込むには、“外周から中心に向かう流路”が露出するよう、皮の無い外周Aから煮汁を浸透させる必要があると考えられます。

     途中論理的でない部分があるようでしたら、ご指摘下さい。
    (あと、大根の皮をむくと煮汁が染みやすい本当の機構をご存じの方がいらっしゃいましたら、ご連絡下さい。是非とも教えて欲しいです。)

     では、今回はここまでとします。

    2014年1月23日木曜日

    LAN内に設置する機器でお薦めのもの(その2)

    LAN内に設置する機器でお薦めのもの(その2)

    こんばんは、稲田商会です。

     先日投稿した記事「LAN内に設置する機器でお薦めのもの」の続きとなります。

    サーバ(ソフトウェア):

    ○CentOS(無料)

    WikipediaのCentOSから引用します。
    CentOS(セントオーエス)は、Red Hat Enterprise Linux(以下「RHEL」と呼ぶ)との完全互換を目指したフリーのLinuxディストリビューションである。
    「RHEL」は、サーバのLinuxOSとしては標準的なもので有料のサポートが付随するOSです。
     そのRHELと完全互換でありながら無料のOSがCentOSになります。
     CentOSは無料である分、判らないことは自分で解決する必要がありますが、インターネット上に色々と情報があるので、検索すれば答えやヒントが出てきます。
     とにかく無料でサーバを動かし、CPUパワーの必要が無いことという条件にはぴったりです。
     CentOSには「rpm」というパッケージ管理ソフトがありますので、WebサーバのApacheやDBサーバのMySQLなどが簡単にインストールすることが出来ます。
     サーバのことをするならLinux系OSの情報が多いと思いますので、CentOSをインストールされることをお薦めします。

    該当製品(プロジェクトHP、英語): http://www.centos.org/

    ○Cacti(無料)

     WikipediaのCactiから引用します。
    CactiはWebベースのネットワーク監視及びグラフ生成用オープンソースソフトウェアである。 指定間隔でポーリングし得られたデータをグラフ化する機能があり、一般的にCPUの負荷やネットワーク帯域利用幅などの時系列データを測定するために使用される。 一般的な使用法としては、Simple Network Management Protocol (SNMP) を介したスイッチングハブまたはルーターのポーリングによるトラフィック量の監視がある。
    SNMP(情報を収集する場合の標準的なプロトコル)を介して情報を収集し、グラフ化してくれるツールです。
     CentOSの上で動くソフトウェアで、rpmで簡単にインストールできます。
     使ったことの無い方には「それが何の役に立つの?」と言われますが、管理する立場で使用すると「とにかくCactiを動かして情報を集めましょう」と言いたくなるソフトです。
     記事「オフィスにある情報機器の概要(その2)」でも以下のように書いたとおりです。
     監視ツールは、小規模のオフィスではあまり必要性が無いと思われるかもしれませんが、監視ツールでファイルサーバの容量やデータの流量、CPU使用率などを監視しておくと、「あと○○ヶ月でファイルサーバが一杯になる」とか「あそこの部署でデータが多く作成されているから、ファイルサーバの割り当てを変更しよう」とか「CPU使用率が高いのでファイルサーバを更新しましょう」とか、定量的な議論が出来る様になります。

    ネットワーク機器:

    ○APC RS400 (UPS(無停電電源装置))

    UPS(無停電電源装置)は、色々な会社が出していますが、標準的なのがAPC(会社名)のものになります。
     ただ、最近APCが買収されたようで“シュナイダーエレクトリック”と言う会社名となっています。(製品等の使用はそのままのようです。)
     ある程度以上の出力のタイプでは、USBで本体と接続して、UPSが稼働出来る時間があと何分とかの情報を伝えたり、停電状態になったことを伝えたりしてくれる機能があり、PC用のUPS監視ソフトPowerChuteが同梱されているものもあったかと記憶していますが、有料かもしれません。
     前回記事のNETGEARのNASのシリーズなら、UPSとNASをUSBで繋ぐだけでOKだと思います。
     購入する際には、稼働させる機器の消費電力とバッテリー稼働時間に応じてタイプを選択してください。
     特にバッテリー稼働時間は、「NASなどがシャットダウンするまでの時間だけ持てばよい」のか「短時間の停電程度の稼働は対応出来る」のかBCPなどと関係するので責任者などと確認し合意した上で話を進めた方がいいです。

    該当製品(Amazon): http://www.amazon.co.jp/APC-RS-400%E9%9B%BB%E6%BA%90%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97-400VA-BR400G-JP/dp/B002GK2PQY/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1390314756&sr=8-1&keywords=apc+ups

    ○Netgear GS108T(スイッチングハブ)

    ただのハブではなく、VLAN機能やポートとランキング、SNMPをサポートしているスイッチで低価格の製品です。
     「SNMPによるポート毎のデータ流量の監視」を目的とした場合、とても安価な方法になります。
     CPUを持ち、IPアドレスを使ってアクセスするので、スイッチ用にIPアドレスを用意するか、DHCPで取得出来るようにしておく必要があります。
     機器へのアクセスはウェブブラウザで出来ますが、内容は英語のみになります。

    該当製品(Amazon): http://www.amazon.co.jp/NETGEAR-%E3%80%90%E6%9C%AC%E4%BD%93%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%95%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A0%E4%BF%9D%E8%A8%BC%E3%80%918%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88-PoE%E5%8F%97%E9%9B%BB%E5%AF%BE%E5%BF%9C-%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%88%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%83%83%E3%83%81-GS108T-200JPS/dp/B003QTZN3G/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1390315763&sr=8-1&keywords=netgear+gs108t

    ○YAMAHA RTX810(ギガアクセスVPNルータ)

    ルータでよく使われているYAMAHAのルータです。
     セキュリティ的にしっかりしているので、使っていて安心です。(勿論変な設定をすると“危険”になります。)
     以前、YAMAHAのルータで、速度の点から古いものから新しいものへ置き換える作業をしたのですが、YAMAHAのルータの設定は、機器固有の部分などを除いて基本的に継承されており、ほとんど手間無く作業出来たので、互換性、継続性の面でも安心です。

    該当製品(Amazon): http://www.amazon.co.jp/%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%8F-YAMAHA-RTX810-%E3%82%AE%E3%82%AC%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%82%B9VPN%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC/dp/B005TC9B7M/ref=sr_1_6?ie=UTF8&qid=1390317372&sr=8-6&keywords=yamaha+rtx1200

    ○SANWASUPPLY 19インチラックマウントボックス

    サーバやルータ、NASなどを設置する際に適当なキャビネットです。
     値段は高いですが、ラックマウント型のサーバを購入しても大丈夫な点と、耐荷重100kgと軽い人なら上に乗っても大丈夫なので、踏み台に出来る点でお薦めです。
     あと、特殊な形状の鍵もついていますので、セキュリティの向上にも繋がります。
     実物を見るとしっかりとした作りをしていて、(鉄板はロッカーなどより分厚いと思います)安心感、高級感があります。
     夏場用に出来れば低速静音型ファンを取り付けることが望ましいです。

    該当商品(メーカーHP): http://www.sanwa.co.jp/product/syohin.asp?code=CP-103

     

    2014年1月20日月曜日

    LAN内に設置する機器でお薦めするもの

    LAN内に設置する機器でお薦めするもの

    こんばんは、稲田商会です。

     先日までの記事では、LANの機器の概要について記事にしたりしていますが、実際にどの程度の機器を話しているのかを明らかにしていませんでした。
     今回は、各機器についてお薦めするものを具体的に記してみようと思います。
     ここでの“お薦め”の意味は、私が以前に触ったりなどして、問題無く使用でき、操作性などがよかったものを指しています。(決して、同等他社製品と比べて優れているとの意味ではありません。)
     それなので、参考程度に見て頂ければと思います。

    社員個人PC(ハードウェア):

     特にありません。
     個人PCは、業務内容に対して十分なCPU能力、メモリ容量、ビデオカード性能があれば後はソフトを入れれば良いだけです。
     技術的な仕事をされる方には、是非ともビデオカードを入れてあげてください。
     どんなに高いPCを買っても大体3年したら型遅れで、5年したらそろそろ故障か能力不足の可能性があることを考えると、そんなに高価なものを買うより、必要に応じてどんどん入れ替える方が良いと思います。

    社員個人PC(ソフトウェア):

    ○MS Office

     オフィスソフトで今までの蓄積があるなら、MS Officeが必要でしょう。
     そうでもないなら、Open Officeなど無料のOfficeソフトでも良いかもしれません。

    ○CADソフト

     図面を扱うところなら、取引先との関係で特定のソフトウェアが必要になることと思います。
     出来れば、ネットワークライセンスなどサーバでライセンスを管理し、ライセンス数を少しでも減らすことを目指すと良いと思います。

    ○FujiXerox DocuWorks(有料)

     ADOBE Acrobatと同じ様に、印刷イメージをファイル化(独自のxdwファイル形式)するソフトです。
     使ってみると、Excelで作成したページとWordで作成したページをくっつけて並べ替え、一つのファイル(ソフト内では“バインダ”と呼びます)に出来るので、色々なソフトの出力をまとめて報告書にする場合などに非常に重宝します。
     さらには、PDFのような印刷イメージにオリジナルのファイルを添付して一つのファイルに出来るので、「こちらではきちんと打ち出せます。そちらのプリンタの設定と思われます。」などの話が出来ます。
     ビューワは無料で配布されているので、相手先にビューワを渡して見て貰うことが出来るのも良いです。

    ○Google Chrome(無料)

     ブラウザでInternet Explorer(IE)は、どうしてもセキュリティ的に弱いイメージがあるので、Google Chromeを使うことをお薦めします。
     ただし、IE用に作成されたホームページなどでは、一部正しく動かないことなどがあるので、パソコンスキルの低い人のPCにはインストールしない方が良いでしょう。


    ○Thunderbird(無料)

     私はメールは手元(PC内)にある方が良いと思うので、メール用のソフトをインストールしています。
     Thunderbirdは年度毎にフォルダに分けるなどしたら、添付ファイルで8Gバイトくらいに総データ量が膨らんでも実用的な速度で検索を行ってくれました。


    ○ESETパーソナルセキュリティ(有料)

     セキュリティソフトは、Symantecでも、VirusBusterでも、Kasperskyでも良いんですが、私はESETが好きで使っています。


    ○PuTTY(無料)

     サーバにCUIでログインするときに使うソフトです。
     軽いので、遠隔地のサーバにアクセスする場合もあまり気になりません。

    該当製品(英語ページ): http://www.chiark.greenend.org.uk/~sgtatham/putty/

    ○RealVNC Viewer(無料)

     サーバにGUIでログインするときに使うソフトです。
     サーバの設定を自分の席から出来るので便利です。
     他の方の個人PCにRealVNCServerをいれておくと、画面を遠隔操作出来ますが、「勝手に動かさないで」と怒られます。



    サーバ(ハードウェア):

    ○NETGEAR RN51662E

     NAS(Network Attached Strage)で使ったことがあり、内部がよく判ったハードウェアでした。(実際はこれの前の製品で、この商品は触っていません。)
     UPSをUSBポートに繋ぐと自動で認識してくれるのはとても良かったです。
     出来ればRAID6相当(同時にHDD2台が故障しても復旧出来る)としたいのでSATAのHDD6スロット以上あるモデルをお薦めします。

    該当商品(メーカーHP): http://www.netgear.jp/products/details/RN51662E.html

    ○NECサーバ

     どこのメーカーのサーバーでも良いのですが、なんとなくNECを選んで使ってます。
     型遅れの10万円以下のサーバでも十分それなりに動くので、問題無いと思います。
     後述するようにOSはCentOSを入れるので、気になる方は動作確認情報を確認した上で購入してください。

    該当製品(メーカHP): http://club.express.nec.co.jp/store/tokka/index.html


     すこし長くなったので、つづきは改めて投稿します。

    2014年1月19日日曜日

    小規模オフィスのLAN構築

     こんにちは、稲田商会です。

     本題に入る前に、少し雑談をします。
     いま考えている今後の投稿内容は、次のように進めたいと考えています。
    • (新規またはレイアウト変更時などに)小規模オフィスのLANを構築するときのこと
    • LANの(最低限の状態での)運用を開始した後に設定するときのこと
    • 運用が安定しだして、管理上の効率化や、新規のサービス提供をしたいときのこと
     ただ、記事を書いているときに思いついたことがあれば、予定から外れていくことがあるかもしれません。

     では、以下本題です。

    小規模オフィスのLAN構築

     小規模オフィスで、新規に、またはレイアウト変更時等にLANを構築するときのことを書きます。

    構築前の準備

     事前に準備したいのは、オフィスの平面図です。
     平面図には、次のことを書き込んでおきましょう。
    • 個人PCを配置する机の位置、使用する社員の所属、役職
    • 電源コンセントの位置、口数、系統(どの配電盤のどのブレーカに接続されているか)、アースの有無(アース付きコンセントか否か)
    • (LANケーブルが壁内配線など固定の場合)LANケーブルの取り出し口の位置、本数、固定配線の結線状態
    • 各機器の概略位置、消費電力
     机の配置に所属、役職の情報を付け加えるのは、ファイルのアクセス権限などを制限する際に、LANケーブルの系統単位で処理出来る可能性があることと、ケーブルを繋ぎ変えるなどの際の影響範囲を明らかにするためです。

     電源コンセントは、壁内配線の系統を明らかにしておくと、複合機のような消費電力の大きなところにPCをたくさん繋いでブレーカが落ちる事態を防ぐことと、電源にノイズが乗るなど異常が発生した場合に影響範囲の確認が可能となることになります。
     また、アースはファイルサーバなど重要機器には是非とも必要ですし、UPSの電圧レベリング機能を利用するには必要となります。もし、オフィスに無いなら(重要機器設置位置だけでも)導入することを検討してみてください。

     LANケーブルは、小規模オフィスでは床にそのまま配線することが多いでしょうが、壁内配線の固定配線がある場合には結線状態(どことどこが繋がっているか、どこで枝分かれしているか)を確認しておくと、固定配線の破損などがあった場合問題の切り分けが出来ます。

     各機器の概略位置、消費電力は、コンセント当たり、系統当たりの合計消費電力のチェック、を行うためです。
     平面図の例はこのようになるでしょうか。


    配線、結線

     ある程度机の位置などが定まったら、平面図上で、LANケーブルの配線とハブによる分岐位置、電源延長タップの配置を決めます。
     LANケーブルの分岐位置は、後で機器が追加されたときに対応出来るか、ハブが故障したときに作業出来るかなどを考えて決めます。
     延長タップは、アース付のものもあるので、サーバなど重要機器やUPS用にはそれを使用してください。
     確認として、LANケーブルで“閉じた輪”や未接続箇所が出来ていないか、電源延長タップでぶら下がっている機器で消費電力合計が許容量を超えていないかをチェックします。
     小規模のオフィスでは、電源コンセントは近くに無いことが多いと思いますので、延長タップの取り回しは重要だと思います。

     時間的余裕がある場合には、ケーブルの両端にインシュロックなどでタグを付け、ケーブルの区別がつくようにすることが望ましいです。

     配線、結線が終わったら、まず電源を同時に入れてブレーカが落ちないことを確認してください。つぎに、インターネットが見えるかどうかなどLANの結線状態を確認してください。
     同時に電源を入れることで一番負荷の掛かった状態になるので、その状態でブレーカが落ちないならほぼ大丈夫と言えます。

     また、配線の状態を平面図に書き加え、電気配線図、LAN配線図として整理しておくと後で配線を変更する際の参考になります。
     併せてLANの結線構造や電気配線の系統を漫画的にまとめた図も作成しておくと、理解し易くなります。

     電気配線図と電気配線系統図の例です。


     LAN配線図とLAN結線構造図の例です。
     

    IPアドレス、インターネットの設定

     最近のLANではTCP/IPでの通信となるでしょうから、IPアドレスの設定が必要です。
     個人PCについてはDHCPの自動取得が面倒が無くて良いと思います。
     複合機、サーバについてはきちんとIPアドレスを設定する必要があります。
     LAN内ですからIPv6にする必要はないと思います。(私としてはIPv6をチャレンジしたかったのですが、他の人に止められました。)
     個人PCの設定ではPCの名前をきちんと重複しないようにしてください。
     注意としては、Windows7機のXPモードは、PC内で仮想マシンとしてXPが動くので2台のPCが同時にあるようになるので、IPアドレスの重複やPC名称の重複が発生する可能性があります。

     インターネットの設定はブロードバンドルータに対して行いますが、VPNを貼るので無ければ設定ウィザードに沿って行うと出来ると思います。
     個人PCから直接PPPoEなどで接続する設定が残っていないか確認しておかないと、繋がらないと文句の出る可能性があるので注意してください。

     以上で、とりあえずLANが動き、個人PCからインターネットが見えるので、“仕事が出来る”状態になったと思います。
     ファイルサーバについて触れていませんが、外付けのハードディスクとしてなら稼働しているものと思います。
     今回の投稿は、とりあえずここまでとさせてください。

    2014年1月17日金曜日

    オフィスにある情報機器の概要(その2)

     こんにちは、稲田商会です。

     本題に入る前に、少し雑談をします。
     投稿された記事は、後から変更することがあります。
     特に、デザインなどについては記事を書きながら覚えている状態ですので、よく変更すると思います。
     勿論、記事の内容のうち技術的な事柄を変更する場合は、変更したことを明示するように書換ではなく追記となるようにしたいと考えています。

     では、「オフィスにある情報機器の概要」のつづきです。

    スイッチングハブ:

     LANケーブルを枝分かれするのに使うものです。
     同じ様な形状でQoSやVLANなどの設定の出来るレイヤ3スイッチとそれらの無いレイヤ2スイッチがあります。(すみません、用語が正しく無い可能性があります。)
     レイヤ2スイッチとレイヤ3スイッチの差ですが、イメージ的にはレイヤ2スイッチは送られるデータをそのまま流すのに対してレイヤ3スイッチは優先順位の高低(QoSの設定)やデータの流す範囲(VLAN)などの設定をすることで、データの流れをコントロールする機能が付加されています。
     小規模のオフィスでQoSやVLANが必要とはあまり思われませんが、無線LAN経由で接続する携帯機器や外部とのデータのやり取りがあるPCなどを隔離するためには必要となります。
     一部のスイッチにはsnmpによるモニタリング機能があり、データ流量の監視が可能です。
     これらから、オフィスの情報機器を結線するための道具としてのみではなく、データの流れをコントロールする機器として捉えられます。
     「ここで枝分かれが必要だからハブを置いて」と考えるだけでなく、「ここはこちらからあちらに向かって重要なデータが流れて、そちらには外部からの通信が入るから通信の分離のためにレイヤ3スイッチを置いて」などデータの流れも考えることが望まれます。

    サーバ(Web、メール、DB、アプリケーション等):

     社内向けのサービスをするサーバについての話です。
     当たり前ですが、サーバは、その上で動作するソフトウェアの種類、設定によって全く異なる動作をします。
     管理する立場から言えば、出来るだけサーバ1台に1機能のようにシンプルにしたいですし、購入する立場から言えば、1台で出来るだけ使い回して欲しいとなります。
     今ならクラウドなどで外部にサーバを立てて、それにアクセスするのも一つの手と思いますが、私は実体のサーバに機能単位で仮想サーバを複数立てて運用することが良いのではないかと考えます。
     理由として、外部サーバの設定ミスによる情報漏洩が懸念されること、小規模のオフィスであれば、それほど1つの機能で必要となるサーバのリソースは限られており仮想サーバでも十分と思われること、が挙げられます。
     Webサーバは社内に何かを見せる時に必要なのでほぼ必要になると思います。
     メールサーバはほとんどのオフィスでプロバイダのメールサーバを利用しているでしょうから、それからの移転の手間やセキュリティ対策を考えると、わざわざ社内に設置する必要はないと思います。
     メールのバックアップは会社にとって必要でしょうから、その点をどうするかが問題となります。メールのバックアップの例として、「通常のプロバイダのメールサーバを利用しながら、社内サーバからメールを取り出しDBに書き込むプログラムを作成し、DBにバックアップする」方法が考えられます。
     DBサーバは、1台をまとめて作成するのか、機能毎のサーバに含めてしまうのか検討する必要がありますが、バックアップ時の手間と容量、速度が主な検討課題かと思います。
     私は、小規模オフィスで容量、速度はあまり要求されないこと、仮想サーバではHDDイメージファイルでバックアップ出来ることから、機能毎のサーバにDBを含めるように運用するので良いと思います。
     アプリケーションサーバは、名の通りアプリケーションの動作するサーバですが、私の設定したのは、グループウェアと監視ツール、(先ほど触れた)自作のメールデータの取得と表示ツールのサーバです。
     監視ツールは、小規模のオフィスではあまり必要性が無いと思われるかもしれませんが、監視ツールでファイルサーバの容量やデータの流量、CPU使用率などを監視しておくと、「あと○○ヶ月でファイルサーバが一杯になる」とか「あそこの部署でデータが多く作成されているから、ファイルサーバの割り当てを変更しよう」とか「CPU使用率が高いのでファイルサーバを更新しましょう」とか、定量的な議論が出来る様になります。

    UPS(無停電電源装置):

     UPSは、日本語で無停電電源装置のことですが、機能として、「電源遮断時の電力供給」機能に加えて、「電圧のレベリング」機能、「電源遮断の検知」機能を持つものが多いです。(名称はメーカーで違うので、カタログなどを参照してください。)
     「電圧のレベリング」機能は、電圧の変動を抑えて一定電圧で動作させるもので、ファイルサーバなど重要な機器には是非とも施して欲しい機能です。
     「電源遮断の検知」機能は、UPSとサーバ、個人PCなどをUSBケーブルかLANケーブルで接続し設定しておくと電源遮断時に「停電状態」をサーバや個人PCに通知してくれる機能です。
     UPSの電力供給能力は長くても30分から1時間程度と思いますが、電力供給能力の限界になったときサーバ側からは停電したのと同じ状態になってしまいます。
     「電源遮断の通知」機能があれば、電源遮断状態になった段階でサーバを自動でシャットダウンさせることが出来ます。(サーバ側に適切な設定が必要です。)

    無線アクセスポイント:

     無線アクセスポイントは、オフィスの有線LANに無線LANを接続するための装置になります。
     LANケーブルで明らかに接続されていることが判る有線LANにくらべ、無線LANは部外者が接続する可能性についても検討し、対策しておくことが望ましいと考えます。

     以上、オフィスにある情報機器について大まかに触れながら、私の意見を書いてみました。

    2014年1月15日水曜日

    オフィスにある情報機器の概要

     こんばんわ、稲田商会です。

     サーバの設定等を書いていきたいとしていますが、まずオフィスにある情報機器について整理してみたいと思います。

     オフィスにある情報機器などとして思い浮かぶものをあげてみます。

    • 社員用の個人PC
    • ファイルサーバ(NAS)
    • (ブロードバンド)ルータ
    • 複合機(コピー、スキャン、プリンタ、ファクシミリ)
    • スイッチングハブ
     ここまでは、ほぼどのオフィスにもあるでしょうか。
     その他に思いつくものとして次のものがあります。
    • サーバ(Web、メール、DB、アプリケーション)
    • UPS(無停電電源装置)
    • 無線アクセスポイント
     こんなところでしょうか。
     以下、各項目について私の意見などを記していきます。

    社員用の個人PC:

     特にありませんが、ウイルス対策ソフトは必ず入れるようにしましょう。

    ファイルサーバ(NAS):

     私はLinuxOSのNASでも良いと思いますが、WindowsServerなどのOSを入れたサーバをファイルサーバとするのが速いようです。
     ポイントとしては、“HDDの故障は必ずある”と考えてミラーリングやRAID5、RAID6などが掛かる構成にすることと、保存データの増加量などから何年で満杯になるのかを考えておくことです。
     それから、保存データのバックアップについては別途検討してください。
     私は、RAIDのような“単一の筐体に納められたHDD群間での情報の冗長性”だけでは十分なバックアップとは言えないと考えます。
     企業であればBCP(事業継続計画)を考えられていると思いますが、“単一筐体内の冗長性”は火事による焼失、停電によるデータ欠損、盗難などに対しては全く意味を為しません。
     例えば、「DVDにこまめに焼いてメディアを金庫に保管する」などを検討する必要があります。
     あと、UPSを接続するべきです。(UPSの項で詳しく説明します。)

    (ブロードバンド)ルータ:

     前の会社では、ルータはルータ本来の「インターネットへ接続するための装置」としてだけではなく、ファイアウォールすなわち「外部からの不要な接続を遮断する装置」として考えていました。
     ルータ本来の機能は、プロバイダから送られた設定を入れればよく、個人PCからネットが見えることで確認できますが、ファイアウォールとしての機能はLAN内の状況や外部からのアクセスなどを考えて設定する必要があります。
     私はYAMAHAのルータを設定したのみで他社のルータは判りませんが、ファイアウォール機能やTELNETログインなどの設定を色々悩んで決めていました。
     もし、ルータのファイアウォール機能を確認されていないなら、出来るだけ速やかに確認されることをお薦めします。

    複合機(コピー、スキャン、プリンタ、ファクシミリ):

     昔はコピー機と呼んでいましたが、最近は複合機の呼び方が相応しいと思います。
     私は、スキャンとプリンタとしてのみ使用していました。
     ファクシミリとして使用されている場合、ファクシミリの内容をファイルサーバ等の外部に保存する機能を設定することをお薦めします。
     良くあることですが、「ファクシミリが届いたものの他の人がコピーと一緒に持って行ってしまい行方不明になった」「(印刷した紙が無いので)ファクシミリが届いたかどうかが判らない」などの問題の対処方法となります。
     その他に、ファクシミリが届いたらメールを送る機能を設定しておけば、届いたことが直ぐに判るようになり望ましいと考えます。

     文章が長くなったので、続きは改めて投稿します。

    はじめまして、稲田商会です。

     はじめまして、稲田商会です。

     “備忘録的なもの”として、色々なことを書き残すためにブログを始めました。
     もし何らかの形で読んで頂いた方の役に立てば、望外の幸せです。

     初めての記事として、タイトルの「稲田商会」の説明と、これからどんなことを書いていきたいかについてを記します。

    「稲田商会」の説明:

    「稲田商会」としていますが、法人として登記されている訳ではなく、“個人が名乗っている”だけのものです。
     それなので、後日“会社の屋号とかぶるから名称変更をしろ”などの話が出てきた場合変更することになると思われます。
    (今Google先生にお聴きしたところ、数社の「稲田商会」様が見つかりますね。先輩の“稲田商会”の皆さん、これからよろしくお願い致します。)

     この「稲田商会」は前の会社に居たときに同僚が「稲田商会で商売したら?」と言われたことから来ています。(その意味でその同僚には感謝しています。)
     今はしていませんし予定もありませんが、もし将来起業するとしたら「稲田商会」の名称を使いたいと考える位に気に入っている名称です。

    これからどんなことを書いていきたいか:

    ブログで書きたいと思っていることの一つはサーバの設定等についてです。
     私は、“(自分以外の)他の方に喜んで貰う”のが嬉しいと思う質なので、出来れば読んで貰った方の役に立つ情報を書きたいと思っています。
     そして、今までで一番私が他の方に役に立てていたのは、前の会社でPC等の設定やサーバの管理をしていたことではないかと考えます。
     前の会社では、小規模(20人程度)のオフィスでサーバを導入し社内用WEBサーバの稼働させたりしていました。
     そのときに得た知識などを整理して、書いていきたいと思います。