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2014年1月24日金曜日

大根の煮物を食べながら考えた事

 こんばんは、稲田商会です。

 今回は、徒話(むだばなし)です。
(日本語変換で出てきたので使ったのですが、“徒話”に何か意味を持たせているわけではありません。)

 昨日の夜、大根と白菜を煮たものを食べました。
 今夜は、大根を煮たものを食べました。

 今日の大根の煮物を食べながら、ふと気付いたことがありました。
 「昨日の大根は煮汁が染みていたのに、今日のは表面のみだな」と。
 そういえば昨日は大根の皮むきをしてから煮たのに対して、今日は皮をむいていませんでした。

 グーグル先生に聴いてみると、皮をむいて煮るのが普通のようで、味も良くなるとか。
 情報としては“むいてから料理する”、“むき方”などがありました。

 私が疑問に思ったことは、“皮をむいて煮るとどうして煮汁の染み方が異なるのか”でした。
 説明のために、まず次のように切った大根を想像してください。
図1 大根の切断

 この切断された扇状の大根の各面を次のように呼ぶこととします。
図2 各面の名称

 大根の皮は、外周Aの位置にあたります。

 昨日の皮をむいた大根では、内部まで煮汁が染みていたので判別は出来ませんが、今日の皮をむいてない大根では、上部切断面B、切断面C、下部切断面Dからの染み込みは見られるものの、外周Aの皮のついている面からの染み込みは見られませんでした。

 グーグル先生に聴いた話からは、外周Aに皮が無い状態の方が(小片全体?に)煮汁の浸透が良いことが推測されます。
 “大根の浸透しやすさが等方的である(向きによって浸透しやすさの差がない)”と仮定した場合、外周Aの皮をむいたところでより中心部に近い上部切断面Bや下部切断面Dからの浸透するので問題無いはずですがそうではないとのことですから、“大根の浸透しやすさは等方的ではない”と考えられます。

 大根の切断面を見ると上部切断面Bから下部切断面Dに向かって筋状の構造(師管と同じ様なものかと推測されます)が見られます。
 この、筋状の構造に沿って浸透すると仮定した場合、上部切断面Bや下部切断面Dからの浸透が切断面Cよりも速やかに行われることになりますが、煮た小片をかじってみても切断面Cからの浸透と上部切断面B、下部切断面Dからのそれはあまり差が無く見えました。

 では、私なりに考察してみます。

 煮汁は、醤油や出汁によって大根内部よりも浸透圧が高いものと考えられます。
 大根内部の水分が浸透圧の高い煮汁の方に吸い出されていくとしたら、大根内部の圧力低下に伴って速やかに煮汁が浸透すると考えられるので、上記の事実と反します。
 また、「皮をむくと煮汁が良く染み込む」ことは皮の内部の外周Aに当たる部分から内部の水分が吸い出され易いことを意味しているのではないかと考えられます。

 大根の構造を、水分の移動の観点から考えてみます。
 土中から水分を吸い上げる為には、まず皮が水分に対して“外→内”への一方通行の“弁”として働くものと推測されます。
 次に、水分を受け取った(皮内部の)外周Aに当たる位置から上部切断面Bに向かって水分は流れていくことになりますが、その際、外周Aから中心部に向かって流れ、中心部から上部切断面Bに向かって流れるのではないかと思われます。
 外周から中心に向かう流路は目視で構造として確認出来ないこと、重力に関係しない流れであることから、中心から上部に向かう流路の特徴(目視出来る構造があること、重力に逆らい流れること)と異なるため、連続した構造ではないと考えられます。
 この構造から、中心から上部に向かう流路に沿っての煮汁の浸透はあまり速やかではなく、外周から中心に向かう流路に沿っての浸透は速やかに行われるものと考えられます。
 また、外周から中心に向かう流路は、切断面Cや上部切断面B、下部切断面Dには繋がっておらず、外周Aの皮をむいたときのみ外部に露出することになります。

 以上から、大根に煮汁が良く染み込むには、“外周から中心に向かう流路”が露出するよう、皮の無い外周Aから煮汁を浸透させる必要があると考えられます。

 途中論理的でない部分があるようでしたら、ご指摘下さい。
(あと、大根の皮をむくと煮汁が染みやすい本当の機構をご存じの方がいらっしゃいましたら、ご連絡下さい。是非とも教えて欲しいです。)

 では、今回はここまでとします。