Translate

2014年1月19日日曜日

小規模オフィスのLAN構築

 こんにちは、稲田商会です。

 本題に入る前に、少し雑談をします。
 いま考えている今後の投稿内容は、次のように進めたいと考えています。
  • (新規またはレイアウト変更時などに)小規模オフィスのLANを構築するときのこと
  • LANの(最低限の状態での)運用を開始した後に設定するときのこと
  • 運用が安定しだして、管理上の効率化や、新規のサービス提供をしたいときのこと
 ただ、記事を書いているときに思いついたことがあれば、予定から外れていくことがあるかもしれません。

 では、以下本題です。

小規模オフィスのLAN構築

 小規模オフィスで、新規に、またはレイアウト変更時等にLANを構築するときのことを書きます。

構築前の準備

 事前に準備したいのは、オフィスの平面図です。
 平面図には、次のことを書き込んでおきましょう。
  • 個人PCを配置する机の位置、使用する社員の所属、役職
  • 電源コンセントの位置、口数、系統(どの配電盤のどのブレーカに接続されているか)、アースの有無(アース付きコンセントか否か)
  • (LANケーブルが壁内配線など固定の場合)LANケーブルの取り出し口の位置、本数、固定配線の結線状態
  • 各機器の概略位置、消費電力
 机の配置に所属、役職の情報を付け加えるのは、ファイルのアクセス権限などを制限する際に、LANケーブルの系統単位で処理出来る可能性があることと、ケーブルを繋ぎ変えるなどの際の影響範囲を明らかにするためです。

 電源コンセントは、壁内配線の系統を明らかにしておくと、複合機のような消費電力の大きなところにPCをたくさん繋いでブレーカが落ちる事態を防ぐことと、電源にノイズが乗るなど異常が発生した場合に影響範囲の確認が可能となることになります。
 また、アースはファイルサーバなど重要機器には是非とも必要ですし、UPSの電圧レベリング機能を利用するには必要となります。もし、オフィスに無いなら(重要機器設置位置だけでも)導入することを検討してみてください。

 LANケーブルは、小規模オフィスでは床にそのまま配線することが多いでしょうが、壁内配線の固定配線がある場合には結線状態(どことどこが繋がっているか、どこで枝分かれしているか)を確認しておくと、固定配線の破損などがあった場合問題の切り分けが出来ます。

 各機器の概略位置、消費電力は、コンセント当たり、系統当たりの合計消費電力のチェック、を行うためです。
 平面図の例はこのようになるでしょうか。


配線、結線

 ある程度机の位置などが定まったら、平面図上で、LANケーブルの配線とハブによる分岐位置、電源延長タップの配置を決めます。
 LANケーブルの分岐位置は、後で機器が追加されたときに対応出来るか、ハブが故障したときに作業出来るかなどを考えて決めます。
 延長タップは、アース付のものもあるので、サーバなど重要機器やUPS用にはそれを使用してください。
 確認として、LANケーブルで“閉じた輪”や未接続箇所が出来ていないか、電源延長タップでぶら下がっている機器で消費電力合計が許容量を超えていないかをチェックします。
 小規模のオフィスでは、電源コンセントは近くに無いことが多いと思いますので、延長タップの取り回しは重要だと思います。

 時間的余裕がある場合には、ケーブルの両端にインシュロックなどでタグを付け、ケーブルの区別がつくようにすることが望ましいです。

 配線、結線が終わったら、まず電源を同時に入れてブレーカが落ちないことを確認してください。つぎに、インターネットが見えるかどうかなどLANの結線状態を確認してください。
 同時に電源を入れることで一番負荷の掛かった状態になるので、その状態でブレーカが落ちないならほぼ大丈夫と言えます。

 また、配線の状態を平面図に書き加え、電気配線図、LAN配線図として整理しておくと後で配線を変更する際の参考になります。
 併せてLANの結線構造や電気配線の系統を漫画的にまとめた図も作成しておくと、理解し易くなります。

 電気配線図と電気配線系統図の例です。


 LAN配線図とLAN結線構造図の例です。
 

IPアドレス、インターネットの設定

 最近のLANではTCP/IPでの通信となるでしょうから、IPアドレスの設定が必要です。
 個人PCについてはDHCPの自動取得が面倒が無くて良いと思います。
 複合機、サーバについてはきちんとIPアドレスを設定する必要があります。
 LAN内ですからIPv6にする必要はないと思います。(私としてはIPv6をチャレンジしたかったのですが、他の人に止められました。)
 個人PCの設定ではPCの名前をきちんと重複しないようにしてください。
 注意としては、Windows7機のXPモードは、PC内で仮想マシンとしてXPが動くので2台のPCが同時にあるようになるので、IPアドレスの重複やPC名称の重複が発生する可能性があります。

 インターネットの設定はブロードバンドルータに対して行いますが、VPNを貼るので無ければ設定ウィザードに沿って行うと出来ると思います。
 個人PCから直接PPPoEなどで接続する設定が残っていないか確認しておかないと、繋がらないと文句の出る可能性があるので注意してください。

 以上で、とりあえずLANが動き、個人PCからインターネットが見えるので、“仕事が出来る”状態になったと思います。
 ファイルサーバについて触れていませんが、外付けのハードディスクとしてなら稼働しているものと思います。
 今回の投稿は、とりあえずここまでとさせてください。