規模が小さかったので、ニュースにならなかったんですね。
近畿でIC乗車券使えぬ不具合、その意外な理由(読売新聞)
畿の鉄道各社は2日、消費税率引き上げに伴い、計398駅にある改札機の一部で1日から、「PiTaPa(ピタパ)」などICカード乗車券が利用できない不具合が生じたと発表した。(後略)
同記事から引用します。
引用、ここから。
(前略)
引用、ここまで。近鉄、阪神、京阪、南海、大阪市営地下鉄、京都市営地下鉄、神戸電鉄の各駅。オムロンソーシアルソリューションズ製の改札機でトラブルが起きたという。関東エリアでICカード乗車券を使った後、これらの駅で同社製の改札機を通ろうとすると、関東で直前に支払った1円単位の運賃をカードの異常と誤認し、通過できなくなった。約600人が影響を受けた。消費増税による運賃改定で、近畿の各社は10円単位としている。
これ、システムをやっている人には切実な問題でしょうね。
問題の発生機構はこうですね。
1.あるシステムの中では10円単位なので、1円単位があるのは正しくない。
2.正しくないデータは書き換え等の偽造が考えられているためエラーとして弾くようにする。
3.システム外部では1円単位なので1円単位の正常なデータが存在し、一部流入する。
4.正常なデータである1円単位のデータがエラーとして弾かれる。
システムの内部だけで見ると、どれもおかしくは無いように見えます。
しかし、外部からの流入について検証が十分ではなかったということですね。
結果としては適切でない制約条件を課していたことになります。
システムをやるときに、システム内の制約はある程度判りやすいのですが、システム外部からの流入や異常データについて想定するのはとても大変なことです。
ましてや、それらについて、どの程度許容し、どの程度エラー処理をするのかは実際にしてみないと判らない部分があります。
自身のシステムのみを更新する場合なら、直近のデータから試験用のデータを作成することも可能ですが、外部環境も変化する場合試験データが作成出来ない可能性があり、「いきなり本番」とせざるを得ないことも考えられます。
今回のような消費税増税に伴って料金体系が全国一斉に変更され、複数の外部条件が一斉に変化する場合は、どうしても想定していない事態が発生して障害が発生する可能性があります。
と言っても、障害が1社のみで発生したなら、条件設定のミスですよね。
自分が同じ過ちをしないように気を付けたいと思います。
それでは、今回はこのへんで。
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