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2015年2月11日水曜日

農協改革、決着

 こんにちは、稲田商会です。

 これから「農協」はどうなっていくんでしょうね。

農協60年ぶり改革決着 JA全中、指導権廃止を承諾(日本経済新聞)
2015/2/9 21:09
 政府・自民党と全国農業協同組合中央会(JA全中)の農協改革をめぐる協議が9日決着した。全中の監査・指導権をなくし、2019年3月末までに一般社団法人に転換する。1954年の発足以来60年ぶりの大改革で、農村票を武器に発言力を持つ全中の権限を縮小する。農産物流通の半分を握る約700の地域農協の競争と創意工夫を促し、農業再生を成長戦略の目玉とする考えだ。
 農協改革は岩盤規制改革の象徴の一つとされ、JA全中はこれまで反対してきたが、9日の全中理事会で政府案の受け入れに転じると正式に決めた。JA全中の万歳章会長は記者団に「農家の所得の増大に向けて改革に臨んでいきたい」と語った。自民党も9日、農林部会などの合同会議で農協改革を大筋了承した。 
(後略)



 農協の強さの一番は、金銭的な拘束力があったからだと思われます。
 農家は、農協を通じて、肥料や苗、設備などを購入し、出来た作物を農協に売って現金化する。
 お金が必要な時は農協から借りて、貯まったお金は農協に貯金するし、保険も農協に依存する。
 また、地域の農協はJA全農に、JA全農はJA全中の指導・監督に従う。
 まさしく、ピラミッド型の構造を為していて、その金銭的な強い拘束力で結び付けている状態になっていたわけですね。
 見方によっては「財閥」のように捉えられるかもしれません。

 今回政府は、この農協という「財閥」を解体し、分裂した地域農協単位での自主的な活動を促進し、互いに競争させることで効率化を図ることを考えているようです。
 これは裏返せば、いままで財閥としての全体的な利益を考慮して活動していたものが、相互に競争するようになり、競争圧力が大きくなることになります。
 国外などへの対外的な判断が、全体としての一体的な判断ではなく、各地域の事情によりバラバラの判断となるわけです。
 農家にとっては、自発性を発揮できる状況になったと言えますが、同時に今までよりも過酷な競争を強いられる状況になったとも言えます。

 日本は空き地を放っておくと草の鬱蒼と生えた荒れ地となってしまう気候です。
 生命の育ちやすい環境とも言えますし、多くの生命と競争することを強いられる環境とも言えます。
 家庭菜園のような小規模のものを経済性を追求せずに行うのか、多大な投資をもとに大規模に経済性を追求した農場を経営するのか、農業をするのに二者択一を求められているように思われます。
 私としては、日本は「豊葦原の瑞穂の国」であり、経済性が無くとも稲作をいつまでも続ける必要があると考えますし、食料の自給は「食にこだわる日本人」としては是非とも確保する必要のあるものだと考えます。
 農協の改革については、善悪の判断は出来ませんが、農家が経済性だけを追求し、「いつしか国内に農家はいなくなった」なんてことだけは無いようにしてほしいと思います。

 それでは、今回はこのへんで。

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