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2014年2月14日金曜日

BCP(業務継続計画)で連想するもの

 こんばんわ、稲田商会です。

 さきほどふと思いついたので、BCP(業務継続計画)に関連した話を書きます。

○事の起こりは

以前に居た会社で、業務継続計画の一部、社内LANに関する部分を自分なりに考えたことがあります。
 それは、ファイルサーバのバックアップをひとまず設定した後に、上司と次のようなやり取りをしたからです。

上司:「これでファイルのバックアップは上手く行くな」
自分:「そうですね。でも、異常発生時にバックアップから本来のサーバに戻すとかの人為的操作の部分はこれから考えないといけませんね。」
上司:「そういえば社長から、BCPの作成を言われていたわ。そんときは協力してよ。」
自分:「BCPって、なにかあったときにどう業務を続けるかってやつですか?」
上司:「そうそう。まあ、なんか考えてみてや。」

 私には、ファイルサーバのバックアップを考える際に、「どのような状態が発生しうるのか」「その状態をどの程度許容するか」「その状態への対策にどの程度のコストが掛けられるのか」などの条件を設定するのがとても難しく感じたので、「BCPなんてとても考えられそうにない」と思ったものです。

○すこし考えてみる-リスクの洗い出し

上司に言われたので、少しは考えてみようと思い、頭の整理をしてみました。
 まず、BCPとは何ぞやと調べてみました。
 すると、「何かが起きた」際に「どのようにしよう」を予め想定して取りまとめたもののようです。
 ほかに、リスク管理、危機管理などの文言も見られます。
 そのあたりをキーワードにして、ぐぐる先生に導かれながらふらふらとさまよったのち、次のように考えるようになりました。

・はじめに「リスクの定義」
 「リスクの大きさは、そのリスクの発生確率と、発生したことによる影響の大きさを掛け合わせたものである」との表現を見たように思います。
 それをみて「なるほどなあ」と感心しました。
 なにか危機管理の話をするときに、「○○について考える必要がある」「それはほとんど起きないだろう」「でも起きたら重大な事態になる」「そこまで考える必要はない」のやりとりが頻繁に発生するように思います。
 そのときに、「じゃあ、リスクの大きさで決めよう」と言えば話が先に進む訳です。
 「そうか、話の土俵がしっかりしていなかったのか」と納得しました。

・比較できるように「序列をつける」
 リスクの大きさを比べるためには、何らかの形で序列をつける必要があります。
 ここでいう序列は、“上位グループ”、“中位グループ”、“下位グループ”や“頻繁に起こる”、“たまに起こる”、“ごく稀に起こる”などの「順序のあるグループ分け」程度の意味です。
 実体験として、この「序列をつける」ことは、大変重要と考えます。
 というのも、話をしている相手との認識が合わないとき、一番問題になるのが「程度」の認識が合わないことです。
 共通のスケールとして「序列をつける」ことで、「これはCランクだから、一旦おいておこう」「これはAランクだからすぐ対応しよう」などの認識を合わせることができ、それによって議論をすることが出来るようになります。

・対象にするのは全ての「ステークスホルダー」
 リスクを考えるときに誰を対象に考えるかで、結果が全く異なります。
 ステークスホルダーについて、Wikipediaから引用します。
ステークホルダーstakeholder)とは、企業・行政・NPO等の利害と行動に直接・間接的な利害関係を有する者を指す。 また、日本語では利害関係者という。具体的には、消費者(顧客)、従業員、株主、債権者、仕入先、得意先、地域社会、行政機関など。
引用元: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%80%E3%83%BC

 よくリスクを考えるときに、対策にお金を出す人を一番に思い浮かべますが、それ以外に直接、間接に利益を受けている人、不利益を被る人も含めたステークスホルダー全てを考える必要があります。
 先ほどの「序列をつける」際に、対策費用の面では差がなくとも利便性の面で大きな差がある場合、対策にお金を出す人のみの場合と不利益を被る人を含める場合では結果は大きく異なるでしょう。

・納得してもらえなくても「知っておいてもらうく」
 ステークスホルダーを対象と考える場合、全ての人に合意してもらえる結果が得られないこともあると思います。
 そのとき、最終決断を責任者が下すのは当然なのですが、それを全てのステークスホルダーが知っている必要があります。
 大抵何か意見を言って、そのものごとが進んでいくと「あぁ、自分の意見で進んでいるんだな」と考えるものです。
 また、議論が大きく揺れた後決着すると、途中段階の議論までを記憶して結果と思い込むこともあります。
 必ず、方向性が決まった場合などの節目でステークスホルダーへの周知をして、納得してもらえなくても「知っておいてもらう」ことが必要です。
 できれば問題が発生した場合の訓練などを行い、その際に「○○との考えで、□□の対策を行います」など改めて説明し、理解してもらうことが望ましいです。

・議論のテーブルに「全てのリスクを並べる」
 日本人の感性として、「言葉にするとそれが本当になるとの“言霊”信仰」があると思います。
 なので、非常に稀で、重大なリスクについては「そんなことを言うな」「縁起でもない」「人々を不安にする」などとして、否定してしまうところがあると思います。
 ですが、それでは「想定外の事態」が発生する可能性が高くなってしまいます。
 「可能性が低いから議論のテーブルに載せない」ではなく、「議論のテーブルに載せたうえで、リスクが小さいことから対策しない」と考えるべきです。
 それから、「全てのリスクを並べる」というと極端な例ばかりを並べると考える方がおられますが、それは違います。
 “全ての”ですから、「影響度は小さいものの頻繁に起こること」も「影響度は中くらい頻度も中くらいのこと」も全てを並べる必要があります。
 なぜなら、先ほどのリスクの大きさの定義

「リスクの大きさは、そのリスクの発生確率と、発生したことによる影響の大きさを掛け合わせたものである」

を考えると、「影響度は小さいものの頻繁に起こること」や「影響度は中くらい頻度も中くらいのこと」の方がリスクが大きい場合が出てくるからです。
 偏らず、先に判断せず、「全てのリスクを並べる」ようにしてください。

 以上のことを踏まえると、リスクを洗い出すことが出来ると思います。

○さらに考えてみる-対策について

BCPをリスク管理と考えて、まずリスクの洗い出しを行いました。
 つぎは、洗い出したリスクへの対策の検討です。 

・「諦める」も対策の一つ
 影響度の大きな問題を考えるとき、「そんな事態を考えても、どうしようもないのだから考える必要が無い」とのスタンスになることがあります。
 本当にそうでしょうか。
 例えば、「計画停電の時どうするか」を考えるとき「自家発電でまかなう」ことは非常に困難ですから「計画停電は考えない」ことになるのでしょうか。
 「計画停電自体は避けられないため諦める(=直接の対策はしない)。そのかわり、周囲への影響を抑えるため事前に計画停電の連絡をしておく。」との対応を取ることは十分可能でしょう。
 「考えても仕方ない」として、「対策自体を考えない」となるとこのような「次善の策」が考えられなくなります。
 対策を考えるのは、対策の範囲と程度を明らかにしていく作業だと思います。
 どうしようもないこと、制約条件によって対処できないことは、「諦める」のも対策の一つです。

・よく忘れがちな「時間軸」
 「ちょっとの停電」は無停電電源で対策する、「ずーっと停電」は諦めることにしたとして、その境界はどこなのでしょう。
 先ほど対策を考えるのは、対策の範囲と程度を明らかにしていく作業だと書きましたが、範囲は空間的な意味の他に時間的な意味も含んでいます。
 「ちょっとの停電」を「30分以内の停電」、「ずーっと停電」を「30分を超す停電」と定義すればより明確に考えられます。
 特に対策が復旧作業を指す場合、復旧作業の所要時間や必要人員数などが時間として、また対策費用に反映してきます。
 時間軸も含めて対策を考えてください。

・考えるべき「優先順位」
 対策を考える際に、全てを一度に復旧するのは、困難なことです。
 ましてや、非常時でも確保するべき事項が多いと対策が非常に困難になります。
 救急医療などでは、「トリアージ」という言葉があります。

トリアージtriage)は、対応人員や物資などの資源が通常時の規模では対応しきれないような非常事態に陥った場合において、最善の結果を得るために、対象者の優先度を決定して選別を行うこと。語源は選別を意味するフランス語の「triageトリアージュ」である。トリアージュともいう
引用元:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%B8


 対策を行う際に「優先順位」に従って作業対象を「トリアージ」すれば、必要なことを速やかに行うことが出来るようになります。
 事前に対策についての「優先順位」を決めておいてください。

・変更するときは「対策全体の見直し」をする
 よくある話ですが、「○○という条件を満たすのに××の費用が掛かります」「××の費用は無理だからその8割でするように」「わかりました、8割の費用で対策します」となることがあります。
 これは、正しくありません。
 本当なら、「わかりました、8割の費用で対策します」ではなく、「わかりました、8割の費用となるよう対策の条件を見直します」になるべきです。
 つまり、「制約条件によって十分ではない対策をする」のではなく「制約条件を踏まえて十分な対策の範囲、程度を決める」のです。
 「なんだ、当り前じゃないか」とも思われるかもしれませんが、対策範囲、程度を決める際には色々なステークスホルダーの調整で成立したはずですから、それを見直すのは至極困難なことだと思います。
 ですが、BCPの整合性を持たせるためには、「全てのリスクに対して十分な対策(勿論“諦める”を含みます)を行っている」必要があり、ストーリーの流れる方向にも逆方向にも齟齬の無いようにしないといけません。
 そのためには、もう一度対策の範囲、程度を決定した過程を見直し、ステークスホルダーとの合意形成をきちんとするべきです。

○案を考えてみたけれど

上記の考え方で、社内LANおよびファイルサーバ内の情報について、BCP的なものを作成してみることができました。
 ただし、作成出来たのは試案の私案で、ステークスホルダーとの打ち合わせは全く出来ていない状態でした。
 一度上司に見てもらい、「ふむ、この方向で進むにしても一度皆で話をする必要があるな」となってからステークスホルダーと話をするつもりだったのです。
 で、上司に見せると「お、色々書いてあるな。一度見せてもらうわ。」と言われて預けたのですが、その後何か動いている様子がないままとなってしまいました。
 「あれではステークスホルダーとの合意は出来ていないだろうになあ」と思ったものです。
 その意味で、次のことは重要だと思います。

・計画を立てることへの「責任と権限が集中していること」
 「この作業の責任者はあなたです」と言われることは無いにしても、ある程度の責任と権限が誰にあるかを明らかにして、作業する必要があります。
 ステークスホルダーがある程度こちらの話を聴き、指示に従う程度にならなければ、議論も出来ません。
 また、もし計画を実施する側に渡した後変更されてしまうと計画の中の整合性が失われてしまう可能性があります。
 責任と権限を有するのが一人である必要はありませんが、ある程度の範囲に集中していないと調整のしようがありません。
 作業の開始時に、責任や権限がどのようになっているか確認しておくべきでしょう。

 読まれた方にはよくわからない文章になっているかもしれませんが、書いてみてすっきりしたように感じられます。
 修正が必要な個所は後日修正することとします。

 それでは、今回はこのへんで。

2014年2月13日木曜日

更新が滞りましたことをお詫びします。

 こんばんは、稲田商会です。

 はじめに、久し振りの投稿になってしまい、更新が滞りましたことをお詫びします。
 申し訳ありません。

 特に何かがあったわけでもなく、「寒いなあ」と暖房の前に居ると時間が過ぎていたのです。
 我ながら、怠惰な生活をしているものだと思います。
 すみません。

 さて、このブログは「技術的な話」を主体として進めようと思って作成したものです。
 特にLAN内の機器を設定したりして、小規模LANの管理者の役に立てればと考えていました。
 今の投稿内容は概念的なものが多く、実際の詳細な設定などまで立ち入ったものはありませんでした。
 その理由は、手元に機器が無く、記憶のみある状態のためです。
 説明用のスクリーンショット撮影や正誤の確認作業などが行えないため、詳細な内容まで立ち入れないのです。

 今後の方針の案としては2つあると思います。
 一つは、機器を用意できるまで、更新頻度を低くすること。
 もう一つは、話題を技術以外のものを主体とすること。
 前者はこのブログを「誰かのためのもの」として書くこと、後者はこのブログを「自分のためのもの」として書くことになるかと思います。

 私は後者の方を選ぼうと思います。

 このブログをご覧の方にとって、個人のことを書いてあるのはあまり面白くないかもしれませんが、出来る範囲で技術的な内容も投稿するので、そちらで許して下さい。

 今回はこのへんで。

2014年2月1日土曜日

毎分120のテンポ

 こんにちは、稲田商会です。

 昨日の夜から、ゼンマイ式時計の振子の音に包まれています。

 夜にコチコチ刻まれる音を聞くとはなしに聞いていたのですが、時計の音は毎分120回のリズムを刻むんですね。
 私は以前吹奏楽部でしたが、そのころに使っていた機械式のメトロノームのカチカチ音を思い出しました。

 振子は、右に行って少し高めにカチリ、左に行って少し低めにカチリ。
 で、左でカチリとなる直前に短くカチリとなっています。
 それを合わせると、タッタタ、タッタタのリズムになっています。
 元吹奏楽部の観点で言えばこのリズムは、毎分120の速度で、四分の二拍子が刻まれ、付点八分音符と十六分音符、四分音符の組み合わせで鳴っているように思います。(リズム感が無いので、十六分音符よりも短いかもしれませんが)

 夜寝ているときに聞こえると、“結構早く刻まれているな”と感じます。
 人間の心拍数は毎分60ぐらいが平均的な値だったかと記憶しています。
 その倍のリズムで刻まれる振子の音は、ある意味人の心を急きたてているようにも感じられます。
 まるで、「ゆっくりしていないで、早く次のことをしなさい」と言われているようです。

 “大きな のっぽの 古時計~”の時計は振り子式の時計の筈ですが、おじいさんは毎分120を刻みながら、暮らしていたのでしょうか。
 振子の等時性から言っても、イメージから言っても「大きな」時計ですから、きっと“もっとゆっくりしたリズム”を刻んだことと想像します。
 きっと、「大きな」時計は毎分60や30程度のリズムを刻み、“おじいさん”は落ち着いた音環境の中で“いっしょに ちくたく”と人生を歩んでいたんでしょうね。

 でも、今私の部屋に毎分120の振子が振れています。
 これを何かの巡り合わせだと考えるなら、私は“毎分120のテンポで暮らす”ようにしましょうか。
 ただ、心の中までそのリズムになってしまい、色々なものを見落とさないようには気をつけようと思います。
 心の中は、せめて“毎分60のテンポで想う”ようにしましょう。

 それでは、今回はこのへんで。

2014年1月31日金曜日

懐かしい音を聞きながら

 こんばんは、稲田商会です。

 今日は、うん十年振りに実家の2階にいます。

 私が実家に居た頃は、7人家族で、祖父母が1階、両親と3人の子供が2階に寝ていました。
 その後、子供が順番に実家を出て行き、祖父母が亡くなり、両親だけが残ると1階に寝るようになり、2階は物置となっていました。
 今日物を移動してもらい、畳を拭いたりして、今晩からまたこの2階に私が寝るようになりました。

 掃除をしているときは気付かなかったのですが、母から「2階には時計が無いから」と言われ、2階に上がって確認してみると、“ゼンマイ式の柱時計”があるではないですか。



 ゼンマイを巻いて振り子を動かすと、“カチカチ”ととても懐かしい音がします。
 それに正時と30分になる“ボーン”という鐘の音もです。

 そういえば、子供の頃は、明りを消した後暗闇に響き渡るこの時計の鐘の音が、あまり好きじゃなかったことをふっと思い出しました。

 時計さんへ、久しぶりに戻りました。
 ただいまです。
 (少なくとも)しばらくここにいますので、その間はゼンマイを巻くようにしますので、出来るだけ正しく時間を刻んでください。

 それでは、今回はこのへんで。

壊れたハードディスクの修理について

 こんばんは、稲田商会です。

 先日、以前勤めていた会社の上司に当たる方から電話がありました。
 その方の会社でハードディスクが壊れたのだけれどどうしたものか、とのことでした。
 お手伝いしたい気持ちはあるのですが、私が触ることによって会社のハードディスクをさらに悪化させる可能性が出てくるため、「私が触って上手く行くのは1~2割、失敗するのは8~9割」とお話ししたところ、「お金を出して業者に頼む」ことになったようです。

 ハードディスクの不調となった場合、私のような“パソコンにやや詳しい”程度の技術を持つものはどんなことが出来るでしょうか。
 今回は、これについてすこし考えてみます。


 ハードディスクの復旧作業は、修理作業などと同じで次のことが肝要だと考えます。
  • 現在の状況を理解し、問題個所の切り分けを確実丁寧に行う。
  • 作業内容の意味と影響範囲、発生しうる状況を理解した上で作業する。
  • 状況の大幅な変化が生じうる場合、それについての利害関係者の間で一定の合意を得て作業する。(とくに金額的負担が発生する場合の決裁者の判断は重要。)

 ハードディスクのトラブルは、次にあげる項目で分類することになると思います。
  • 筺体(HDD以外のハードウェア)のトラブルか
  • 接続形態は内臓か、USBか、LAN経由か
  • OSはWindowsか、Linuxか、それ以外か
  • RAIDは掛かっているか、その種類は何か
  • RAID内のHDD不良でHDD交換で状況が変化するか
  • フォーマットはOSの標準的なものか、メーカーの独自ファイルシステムか

 以上の項目をフロー形式にして対策方法を検討してみます。


○STEP1: 筺体(HDD以外のハードウェア)のトラブルか

・YESの場合 → 代替え筺体を準備して、動作確認
 HDD以外のものが壊れることは珍しいのであまりないですが、「マイネットワークに無い」とか「管理ツールに反応しない」となると、その機器の筺体部分がおかしい可能性があります。
 この場合、HDD以外の部分の要因を潰しておく必要があります。
 もし代替え筺体が準備できない場合はプロに頼んだ方がよいと思います。

・NOの場合 → STEP2へ


○STEP2: 接続形態は内臓・USBか、LAN経由か

内臓 or USBの場合 → STEP4へ
 内臓またはUSBならば、基本的に個人PCのWindowsからのアクセスになるので、特に問題なく作業出来ます。

LAN経由の場合 → STEP3へ
 LAN経由の場合、ディスプレイやキーボードなどが接続されていないサーバやNASでの作業と考えられますので、作業環境を確認する必要があります。


○STEP3: OSはWindowsか、Linuxか、それ以外か

Windowsの場合 → リモートデスクトップもしくは直接操作を行う → STEP6
 WindowsOSのサーバ、NASなら、直接筺体の前で操作してもいいですが、リモートデスクトップによるログインが、自分の席から操作できるのでお勧めです。

Linuxの場合 → コマンドコンソールでRoot権限でログインし操作を行う → STEP6へ
 LinuxOSをOSとする場合、廉価版と思われるので、ディスプレイ出力が無いことが多いと思います。
 まず、マニュアルかググるかしてログイン方法を確認した上で、自分のPCにTelnetかSSHのクライアントソフトをインストールしログインすることになります。
 ログインの方法自体はマニュアルかどこかのHPに書いてあるのですが、ログインされると不正なことをされる可能性があることから、初期設定ではログインできないようにされている可能性が高いと考えられます。
 出来れば普段からログインする操作を練習しておくのがいいと思います。

それ以外の場合 → 自力復旧は諦めて業者へ
 Windows、Linux以外のOSを採用している場合、メーカー的な何かの事情があるものと考えられます。
 インターネット上の情報の少なさ、メーカーの事情などを鑑みると素人が手を出すのは危険であると思われ、自力復旧を断念した方がいいでしょう。


○STEP4: RAIDは掛かっているか、種類は何か

RAID0の場合 → 自力復旧は諦めて業者へ
 RAID0は冗長性が無いので、HDD一台の異常による情報の欠落がそのまますべてのHDDの情報の欠落になり、素人での復旧は無理です。

RAID1、RAID0+1の場合 → 異常HDDを取り外す → STEP5へ
 RAID1は、同じ内容のHDDを用意することで冗長性を確保しているので、不良HDDが発生したとしても問題無い筈ですが、何か問題があるようなら、とりあえず不良HDDを外してみる操作を試みてみるのがよいと思います。

RAID5、RAID6の場合 → 異常HDDを新規HDDに入れ替える → STEP5へ
 RAID5、RAID6は、情報とそのパリティを分割して各HDDに保存することで冗長性を確保しているので、情報とパリティの一部が欠損しても復旧出来たり、そのまま運用出来たりします。
 ただ、RAID5では同時に2台以上、RAID6では同時に3台以上の不良HDD発生によって、RAIDが構成できなくなり読み書きが出来なくなる状況が出てきます。
 RAIDの種類と不良HDD台数については確認しておく必要があります。
 特にRAID5は、1台の不良HDD発生で復旧作業に取り掛かり、作業中にさらにもう一台不良HDDが発生するとすべてのデータが失われる可能性もあるので、可能ならRAID6を選択してください。

メーカー独自仕様のRAIDの場合 → 異常HDDを新規HDDに入れ替える → STEP5へ
 メーカー独自仕様のRAIDの場合、詳細はメーカー資料を参照することになります。
 とりあえず、不良HDDの交換による復旧を試みるしかないと考えます。


○STEP5: RAID内のHDD不良でHDD交換で状況が変化するか

ファイルにアクセス可能 → 作業完了

ドライブとして認識可能だがファイルにアクセス不可能 → STEP6へ
 RAIDは複数のHDDを組み合わせて、単一のHDDに見せかけるものと言えます。
 逆に、ドライブとして見えてもファイルシステムが破損している場合は、ファイルにアクセス出来ないことになります。
 確実にチェックをしていくようにしてください。

ドライブとして認識不可能 → 自力復旧は諦めて業者へ
 RAIDのHDD入れ替え以上の作業は、素人では不可能だと思います。
 ドライブとして認識出来ないなら、素直に諦めるべきです。


○STEP6: フォーマットはOSの標準的なものか、メーカーの独自ファイルシステムか

OSの標準的なファイルシステム → ファイルシステムの復旧作業
 Windowsであれば、FAT、FAT32、NTFSになるかと思います。
 修復には、例えばchkdskコマンドでファイルシステムの復旧を試みます。

参考サイト:
  「chkdsk」と修復オプション

 Linuxであれば、ext3、ext4になるかと思います。
 修復には、例えばfsckコマンドでファイルシステムの復旧を試みます。

参考サイト:
  Linuxコマンド集 - 【 fsck 】

メーカーの独自ファイルシステム → マニュアル確認の上で作業(不明の場合は業者へ)
 メーカー独自のファイルシステムを採用する事例は、ごく少ないと思いますが、その場合には情報がごく限られたものになるので、ググるなどでの情報収集方法が効きにくくなります。
 マニュアルの記述内容を確認した上で、作業を実施してください。
 記述内容などがよくわからない場合は、粘ってもいい方向に進まないので業者に任せた方がいいです。

ファイルシステムが一般的でないまたは不明の場合 → 自力復旧は諦めて業者へ
 一般的でないファイルシステムやファイルシステム自体が不明の場合、他との類推で作業するのは非常に危険です。
 素直に諦めるべきです。


 以上の復旧作業で、復旧出来ないなら業者に頼むようにするべきです。
 ハードディスク修復を謳う業者のサイトは多数あり、玉石混淆の可能性もありますので、業者選定は慎重に行ってください。
(私は今まで業者に依頼したことが無いので、お勧めの業者などはありません。)

参考サイト:
  ロジテックデータ復旧技術センター
  データ復旧のオントラック

 最後に、“精神論”ですが、不安に思いながら作業すると失敗することが多いと思います。
 なにか方針を決めたら“必ず成功する”と信じて作業してください。
 ただし、作業後に状態の確認をする場合は確実なところから少しづつ進めるようにし、“絶対失敗していないはず”などの思い込みで判断するのは避けるべきです。

 それでは、今回はこのへんで。

2014年1月27日月曜日

デイトレード結果の分析

 こんにちは、稲田商会です。

 株のデイトレードデータを分析したので簡単に紹介します。
 といっても、分析の手法と結果を主に説明し、分析対象としたデータは示しません。

○分析の方針
 デイトレードのデータを分析するのは、デイトレードでプラスとするためです。
 プラスにならない理由として可能性が高いのは“損切りがきちんと出来ない”ことです。
 損切りが大事と言われますが、どの位で損切りするべきかの目安が無いと、なかなか踏ん切りが出来ず、そのままずるずると行ってしまいます。
 分析することで、損切りの目安がある程度は掴めると考えます。
 分析の方針は次の通りです。
  • 銘柄は考えず、売買の金額、数量だけで考える。
  • 損切りの目安を明らかにしたい。
  • 出来ればトレードの目安も明らかにしたい。

○分析対象の情報

  • トレードは買い建てのみとする
  • デイトレードによる売買情報で、買い建てた単価、返済した単価、株数の情報

 変数は次の通りとします。
買建単価: Xb
返済単価: Xs
株数  : Yv

○分析の準備作業

 まずは、分析に当たって売買情報の規準化を行います。
 規準化の理由は、例えば株価が

A 10,000円→10,150円(100円アップ、1%アップ)

B 500円→600円(100円アップ、20%アップ)

C 500円→505円(5円アップ、1%アップ)

の情報があった場合、どの情報を“同じ程度の重み”として扱うのかによって、分析結果が大きく異なるからです。

 今回は、「株価の上昇、下降した割合に意味がある」と考えるようにします。
 上の例では、AとCが同じ「1%アップ」なので「同じ程度の重み」と取り扱うことにします。
 これから、分析に当たって、次の変数を定義します。

売買差額(=返済単価-買建単価): Xd = Xs - Xb
売買差額率(=売買差額/買建単価): Xdp = Xd / Xb

 また、株価の価格帯により何か差があるかもしれないので、価格帯による分類をします。
 価格帯は、桁が異なる程の差なので、指数的な範囲の区切りとします。
 例えば、1から10は底10の対数では0から1となるので、4等分すると対数で

10^0、10^0.25、10^0.5、10^0.75、10^1

が範囲の区切りとなり、数値では

1、1.778、3.162、5.623、10

となるので、丸めて

1、2、3、6、10

を範囲の区切りとします。

価格帯Gr: 買建単価が1~50 グループA
          51~100 グループB
          101~200 グループC
          201~300 グループD
          301~600 グループE
          601~1,000 グループF
          1,001~2,000 グループG
          2,001~3,000 グループH
          3,001~6,000 グループI
          6,001~10,000 グループJ
          10,001~20,000 グループK

 入手したデータの範囲は単価20,000円以下だったので、ここまでとします。

 株数Yvは売買単位が100株、1,000株と異なるので 規準化すべきと思います。
 規準化として、“同じ程度の懐の痛さ”を考えて、売買の結果得られる売買損益Ymを考えます。

売買損益(=売買差額×株数): Ym = Xd * Yv

○分析作業と結果

 次の情報をExcelに入れて、Pivotテーブルで分析を行います。

Excel入力情報:
 整理番号NO、買建単価Xb、返済単価Xs、株数Yv、売買差額Xd、売買差額率Xdp、価格帯Gr、売買損益Ym

手順1
 まず、Pivotで集計対象を整理番号NOのデータの個数として、行ラベルに売買差額率Xdpを入れてみます。
 そのままでは見にくいので、行ラベルを適当にグループ化してみます。

(上図はPivotテーブルの内容を調整した上でグラフ化しています)

 与えたデータでは、プラスが出た場合はほとんどが売買差額率が0.005(0.5%)までの範囲にあり、0.01(1%)以上となるのはほんの僅かでした。
 一方、マイナスがでた場合は緩やかな塊が売買差額率が-0.0075(-0.75%)まで広がり、より低い位置まで続いていました。
 これは「勝つときは小幅に、負けるときは大幅に」なっていることを示しており、「損切り出来ない」ことを如実に表しています。

手順2
 次に、価格帯毎の分布はどうなるかを見るために、列ラベルに価格帯Grを入れてみます。

(上図はPivotテーブルの内容を調整した上で手作業で着色しています)

 与えたデータでは、価格帯毎でプラスが出るか、マイナスかの傾向が異なり、グループE(301~600円)からグループI(3,001~6,000円)の範囲ではややプラスが多いようですが、グループD(201~300円)以下やグループJ(6,001~10,000円)以上の価格帯ではマイナスの回数が多いようです。
 これから、プラスの出やすい価格帯、出にくい価格帯があることが判ります。

手順3
 次に、金額が適切なのか見てみましょう。
 大きな金額の時に大きく負けている可能性があるかもしれません。
 行ラベルに売買損益に入れ替えて、行ラベルをグループ化します。
 また列ラベルに売買差額率を入れてみます。

(上図はPivotテーブルの内容を調整した上で手作業で着色しています)

 与えたデータでは、プラスが出た場合よりもマイナスが出た場合の売買損益の絶対値が大きく、またばらついているように思われます。
 これから、「負けるときは大きな金額を張っている場合が多い」可能性があります。
 よって、一回のトレード当たりに金額的な目安を設けておいた方が良いと言えます。

手順4
 では、損切り範囲および取引金額上限を設定すると本当に儲けられるようになるのでしょうか。
 先ほどのデータを使って計算してみましょう。
 まず、損切り(益出し)を行う範囲、一回当たりの取引金額について条件を決めた取引条件表を作成します。 
 表の形は次のようになります。

価格帯Gr、取引上限株数、益出し幅(益出し幅率、益出し金額)、損切り幅(損切り幅率、損切り金額)、売買上限金額


 益出し幅、損切り幅を、各価格帯で株価の上限値(グループC(101~200円)では200円)に対してそれぞれ1%程度、0.5%程度となるようにしました。
 また、益出し幅、損切り幅に取引上限株数を掛けた益出し金額、損切り金額がある程度の金額となるようにしました。
 売買上限金額は、価格帯上限値×取引上限株数で算出したものです。
 作成する際に、株価が300以下となる価格帯GrのグループA~Dでは株価上限値に率を掛けるだけの益出し幅、損益幅が取引時に現実的ではなく、やや高い値としました。

 取引条件表が出来たなら、それを元にExcelに項目を追加します。
 追加する項目は、次の項目になります。

差額制限フラグ: 売買差額Xdが益出し幅、損切り幅に収まるかどうかの判定
株数制限フラグ: 株数Yvが取引上限株数に収まるかどうかの判定
制限後差額Xdlimit: 売買差額を益出し幅、損切り幅の範囲に制限したもの
制限後株数Yvlimit: 株数を取引上限株数の範囲に制限したもの

 また、制限による取引結果として、
  ケース1 差額のみ制限
  ケース2 株数のみ制限
  ケース3 差額株数制限
の3ケースについて売買した損益を計算します。

ケース1(差額のみ制限)損益Ymcase1: 制限後差額Xdlimit×株数Yv
ケース2(株数のみ制限)損益Ymcase2: 売買差額Xd×制限後株数Yvlimit
ケース3(差額株数制限)損益Ymcase3: 制限後差額Xdlimit×制限後株数Yvlimit

 Pivotテーブルで、集計対象に次の項目を加え、計算方法を合計にします。

売買差益Ym、ケース1(差額のみ制限)損益Ymcase1、ケース2(株数のみ制限)損益Ymcase2、ケース3(差額株数制限)損益Ymcase3

 行ラベルは売買差額率Xdpや価格帯Grでして表を作成してみて下さい。

(上図はPivotテーブルの内容を調整した上でグラフ化しています)

 与えたデータでは、差額制限のあるケース1とケース3でプラスとなり、株数制限のみのケース2はマイナスが半分程度になったもののプラスにはなりませんでした。
 合計値では、次の順番となりました。

ケース1>ケース3>0>ケース2>売買損益

 より詳細に見てみると、差額制限はプラス側に変化は無く、マイナス側が少なくなっていました。
 一方、株数制限では、マイナス側も少なくなるものの差額制限の効果に劣っているのに加え、プラス側も少なくなっていました。
 これから、トータルでプラスにするには、差額制限は有効で、株数制限はあまり有効ではないことになります。

○分析結果のまとめ

 デイトレードデータを分析したところ、次の事が判りました。
  • 売買差額率でみて、トレードでプラスが出た場合は売買差額率の絶対値が0.5%以内が多く、マイナスが出た場合はそれよりも絶対値が大きくなる傾向があり、損切りが出来ていない傾向にあります。
  • 売買損益でみて、トレードでプラスが出た場合は売買損益の絶対値の範囲に比べ、マイナスが出た場合はより広い範囲に分布しており、損切りをしなければならない場合の株数が多い可能性が考えられます(売買差額率の傾向のみによる可能性もあります)。
  • 価格帯により売買での成績が異なり、プラスの出やすい価格帯、出にくい価格帯があります。
  • 差額制限を行うことによって損切りがきちんと出来たなら、トータルでプラスになると推測されます。
  • 株数制限を行ってもあまり影響が無いことから取引上限株数については参考程度でよいとと考えられます。
  • 取引条件表により、一回当たりの売買損益の幅が明確になるため、今後はより計画的に売買出来るものと考えられます。

○最後に

 以上、デイトレードデータを分析し、いくつかの知見が得られました。
 久し振りにデータの分析をすると、とても楽しいですね。

 それでは、今回はこの辺で。

    2014年1月26日日曜日

    “言葉そのもの”も見るようにしています(その2)

     こんばんは、稲田商会です。

     本題に入る前に、少し。

     ただ今(私個人的に)記事作成キャンペーンを実施しております。
     「技術的記事の他にも、感想や意見などの主観的記事や愚痴や瞬間的に思いついた事などの誰得的記事でも、練習として作成していこう」との方針のもと、とにかく作文し記事にするようにしています。
     しばらくの間、あまり面白くない記事になるかもしれませんが、稲田商会の記事作成技術の研鑽に必要な過程であるとご理解頂き、どうかご容赦下さいますよう、お願いいたします。

     閑話休題。

     昨日投稿した記事「“言葉そのもの”も見るようにしています」を書いて後、少し記事に関して考えていました。
     それで、思いついた事を書いてみます。

     前回の記事は、要約すると「誰が、どのように考えて発した言葉かを問わず、“言葉そのもの”の中に意味があるかもしれないのだから、 意図を伝える道具としてではなく、“言葉そのもの”を見るようにしないと勿体ないですよね」となります。
     が、なにか言葉がうまく繋がっていないというか、私の感覚を上手く説明が出来ていないように思います。
     こういうときは「歴史に学ぶ」のはどうかと思い、色々と調べてみたのです。

     単語の繋がりから思いついたのは言霊でした。
     ですが、“言葉そのもの”に意味があるというのは、言霊として言葉そのものが独立した存在であるとの考えではなく、言葉という観測対象とそれを観測する観測者(=自分)の関係性の中で観測することで意味を用いるものとの考えです。

     次に思いついたのは聖書でした。
     次の文言は、聖書にある文言ですが、
    初めに言葉があった。
    言葉は神と共にあった。
    言葉は神であった。
    この言葉は、初めに神と共にあった。
    万物は言葉によって成った。
    成ったもので言葉によらずに成ったものは
    ひとつもなかった。
    言葉のうちに命があった。
    命は人間を照らす光であった。
    光は暗闇の中で輝いている。
    暗闇は、光を理解しなかった。
     (ヨハネ福音書 1:1~1:5 )
    この表現では、“言葉”は“神と共に”あるほど意味を成すものとなってしまい、私の感覚には合いません。

     その次に思いついたのは「イデア」という単語です。
     聖書の言葉よりも次の文言の方がより感覚に近いと思います。
    我々の魂は、かつて天上の世界にいてイデアだけを見て暮らしていたのだが、その汚れのために地上の世界に追放され、肉体(ソーマ)という牢獄(セーマ)に押し込められてしまった。そして、この地上へ降りる途中で、忘却(レテ)の河を渡ったため、以前は見ていたイデアをほとんど忘れてしまった。だが、この世界でイデアの模像である個物を見ると、その忘れてしまっていたイデアをおぼろげながらに思い出す。このように我々が眼を外界ではなく魂の内面へと向けなおし、かつて見ていたイデアを想起するとき、我々はものごとをその原型に即して、真に認識することになる。
    引用元: wikipedia イデア (一部抜粋)

     ただ、この捉え方では、想起されるべきイデアの模像を見ていることになり、観測者である私は思い出せていないだけになってしまいますし、イデアの模像である地上の世界であるならなんらの意味はなくなってしまいます。

     さらに次に思いついたのは、仏教のことでした。
     調べてみると、「仏性」についての記述が私の感覚に合いそうでした。
    仏教では、この仏性を開発かいほつし自由自在に発揮することで、煩悩が残された状態であっても全ての苦しみに煩わされることなく、また他の衆生の苦しみをも救っていける境涯を開くことができるとされる。この仏性が顕現し有効に活用されている状態を成仏と呼び、仏法修行の究極の目的とされている。
    引用元: wikipedia 仏性 (一部抜粋)

     特に気になったのは次の記述です。
    三因仏性
    『大般涅槃経』獅子吼菩薩品に説かれるものを智顗が整合し確立した、成仏のための3つの要素を三因(さんいん)仏性という。
    正因仏性しょういんぶっしょう - 本性としてもとから具わっている仏性のこと
    了因仏性りょういんぶっしょう - 仏性を照らし出す智慧や、その智慧によって 発露ほつろした仏性のこと
    縁因仏性えんいんぶっしょう - 智慧として発露するための縁となる善なる行いのこと
    引用元: wikipedia 仏性 (一部抜粋)

    この縁因仏性が、近いのかなと思ったのです。
     仏性のキーワードで私の感覚を説明すると、次のようになるでしょうか。


     私たちの中は悟りを開くための過程として今生きており、真理を正しく理解する(=悟る)ことが必要です。
     真理を理解するための準備(=正因仏性)はすでに為されているので、後は真理を拾い上げ(=縁因仏性)、理解しようとする(=了因仏性)ことをすればいいのです。
     真理は、色々なものの中に紛れ込み、遍く世界にありふれていますが、その中でも“言葉”の中に多くあるように思います。
     言葉は、発した人と受け取る自分との間を繋ぐものとしてのみあるのではありません。
     言葉は、自分に真理を気づかせてくれる、真理を孕む原石でもあります。
     言葉を発した人の心の動きの中にも真理はあると思いますが、発した人のみを見て言葉の中の真理を見失うのは勿体ないことです。
     私は、真理を含むものとして「“言葉そのもの”も見るようにしています」。


     さて、読まれた方にとって昨日の投稿よりも私の感覚が伝わる文章になったでしょうか。

     それでは、今回はこのへんで。