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2014年6月27日金曜日

苦みを忘れた血吸いコウモリ

 こんにちは、稲田商会です。

 私も苦みを忘れて、人生のにがさを忘れてしまいたいです。

吸血コウモリ、吸血のせいで苦味に鈍感(毎日新聞)
2014年06月27日
 吸血コウモリは、血を吸うことにより苦味を感じる能力を失った可能性がある。「Proceedings of the Royal Society B」誌に6月25日付で発表された新しい研究で、チスイコウモリは他のほとんどの哺乳類と異なり、苦味を感じる能力が非常に低いことがわかった。 
(後略)



 同記事から引用します。

引用、ここから。
(前略) 
 3種の吸血コウモリの遺伝子にある苦味受容体を、他の吸血しない11種のコウモリの苦味受容体と比較した。吸血コウモリは苦味受容体をそれぞれ9つ持つが、その多くは機能していないことがわかった。これとは対称的に、吸血しないコウモリの苦味受容体は大部分が正常に機能していた。
 趙氏は、吸血コウモリの苦味受容体が機能しなくなったのは、血だけを餌とすることが原因だと見ている。「進化の過程では、使わないものは失われる」。 
(中略)
 今回の研究には参加していないが、フィラデルフィアにあるモネル化学感覚研究所(Monell Chemical Senses Center)の研究者、ダニエル・リード(Danielle Reed)氏はこう話している。「苦味受容体の最も興味深い機能は、これから発見されるだろう。苦味受容体は鼻で細菌の存在を感知し、精子内で卵子からの化学物質を感知してオスの生殖機能を維持し、また、消化器官で毒素を感知するのに不可欠だということがわかっている。細胞は周辺環境にある化学物質の存在を知る必要があり、苦味受容体がこれに役立っている」。
引用、ここまで。

 血を吸うということは、生命の一番大事な部分を食料とするので、毒の入っている可能性が無く、毒を検知するセンサとなる苦味受容体が使われなくなって機能しなくなったと言うことなのでしょう。
 それにしても、味が失われるというのも不思議な感じがしますね。

 あと、最後の方に書かれている苦味受容体の機能はバラエティに富んでいますね。
 「鼻で細菌の存在を感知」、「精子内で卵子からの化学物質を感知してオスの生殖機能を維持」、「消化器官で毒素を感知」といろんな場所で働いています。
 というより進化的な流れから言えば、「周囲の化学物質を探知するための物質が進化と共に色々な所での化学物質の感知に利用されるようになり、その一つの形として舌で特定の化学物質を検知すると苦味と感じるようになった」と言うことでしょう。
 そのように考えると「甘み」とか「旨み」とかは生物にとって好ましい化学物質を検知するためのセンサが発する信号と言えるのではないかと推測出来ます。

 そうか、だから「良いもの」って甘い匂いがするんですね。

 それでは、今回はこのへんで。

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